無題
(中学〜社会人まで続く青黒)
(離れたり、寄り添ったり)
(黄色のスイセンの花言葉に滾った管理人のテンションのみの産物プロローグ的な)
(高尾くんと黒子君親友になったよ的な)
(もうノリだけ的な←)
あの花の花言葉を知っていますか?
そう尋ねると、彼は軽く首に手を当てながら困ったように笑った。
もう長く、彼の笑顔を見ていない。
いや、笑顔だけじゃないか。と苦い笑みが零れる。
願うならもう一度とかつての僕は願ったけれど、今はもうそんなことを願えるほど子供でもなくて。
幸せなまま、再会したあの頃のままだったならと。
心はいつも後悔ばかりを叫んでいる。
どうすれば良かったんだろう。
僕は、彼とどうなりたかったんだろう。
あんなにも、あんなにも大切で、失いたくないと思っていたのに。
「……黒子?」
「……、あ……す、みませ……っ」
「なーんでオマエは好きで好きで仕方ねー奴の前でそうやって、泣けなかったのかねぇ」
「……そう、ですね……」
寄り添うように座る高尾君が可笑しそうに肩を揺らした。
彼は変わらない。
そう伝えれば、確かに、変わったのは関係性くらいだと笑う。
何で人は人と自分との間に名前を付けたがるんだろうね、と。
「好きの種類が多すぎるのも考えもんだよな」
告げられた言葉に、また僕は声もなく泣いた。
抱き止めてくれるその腕は彼のように強くなく、それが僕の涙腺をまた刺激した。
(キミに、黄色のスイセンを渡しにいこう)
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