赤司に大人しく従う
正直、戦いた。
同じ高1とは思えねー存在感とか。緑間の口癖を軽く凌駕する「頭が高い」発言だとか。
初対面がコート内でなければたぶん、関わることがなかった人種だと思う。
「……、あのー、赤司サン?」
「何だい?和成」
「なぜ当然のように家におわすんでしょうか?……てかオマエ、京都住みっしょ」
部活から帰って来たら、なぜかオレの家で赤司が茶をしばいていた。
「わざわざ立ち寄った人間に向かってその言い種は頂けないな、とりあえず座ったらどうだ」
「いや、ココ、オレん家だからね?この部屋の主オレだからね?」
「細かいことを気にするな。というか……僕の言うことが聞けないのか?」
「座ります。でも細かくはねーから!」
意見しながらも言う通りに床に胡座をかけば、座布団の上に……てかオレの部屋に座布団とかあったの?まさか親が持ってきたのアレ??
……とにかく先に座っていた赤司が笑った。
試合中みたいな、支配欲に満ちた笑顔じゃなく。わりと、年相応のそれ。
オレはその表情を魅せられるたびに戸惑う。
「相変わらず和成は、オレの言うことに素直に反応しないね」
「えっ?フツーにほぼ従順だと思うんだけど」
ツッコミはすれども、本格的に逆らったらなんかまじで殺られそうだし。
「いや、だからこそオマエは面白いのだけど」
「えぇぇ……」
「フフ……」
何かよくわかんねーうちにやばい感じに気に入られちまったことだけは、オレにも理解できた。
今後はなるべく、大人しく従っとこう。
(和成、お茶が冷めているよ)
(イエッサー!)
((大人しく従った所で言動が面白いことには変わりないんだがな……))
(13/1/9)
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