黄瀬くんと運命と偶然の某9









とりあえずまずは、意識してもらうとこからっスかね。

といっても、もうキスしちゃってんのに態度変わんないってもしかしてそれ完全にそういう対象に見られてないってことっスよね。
っていうかそもそも高尾っちホモじゃないんじゃ……いやでも緑間っちのこと好きならやっぱりホモなんスかね?じゃあオレにもチャンスがあるってこと?そこんとこどうなの?





ケータイ片手にジッと画面を凝視する。
待ち受けに表示されているのは、高尾っちのメアド。





「聴きたい……けど、」





もし緑間っちのことが好きとかあの口から聴いたらもう、勝ち目なさそう。てか挫けそう、で。

でも気になって仕方ない。
本人の口からちゃんと聞かない限りはほんとかどうかもわかんない訳だし。





「ああ……でもやっぱ、むり」





ボフッと頭から枕に突っ伏したら。



ぴ、と無機質な音が手元から響いた。





え。まさか。え、また?





慌てて顔を上げた先で、画面に映る見覚えのある「呼び出し中」の文字。

やってしまった。





すぐに『もしもし?』と高尾っちの声が聴こえてきて、オレは覚悟を決めた。








「もしもし、高尾っち?ちょっと、聞きたいことがあって電話したんスけど……」








(確かめたいキミの想い)





(13/10/2)



[ 178/284 ]

[mokuji]

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -