宮地サンと偶然会う






「あれー?宮地サン??」

「何だ高尾じゃねーか」

「え、一人っすか?」

「そっくりそのままその台詞オマエに返してやんよ」





オフの日に街でブラついてたら高尾と遭遇した。
私服だし、緑間いねーし。何かちょっと新鮮だ。





「オレはさっきまで妹と一緒だったんですけど、何か友達と遭遇したんで解散してきたんすよ」

「あ?オマエ、妹いたの?」

「はい、可愛い妹がいますよ」

「じゃあ似てねーのな、よかったじゃねえか」

「ちょ、激似っすから!オレと似ててめっちゃカワイーんすよ!」

「……」





蔑んだ視線を向けてやれば、いつもみたいに笑う。
やっぱり高尾は高尾だな。

てかオレはなんでコイツと立ち話なんかしてんだ。





「ま、折角のオフだしゆっくりしろよ。じゃーな」

「えっ」

「は?」





驚いた声に思わず動かしかけた足を止めた。

振り返ればなぜか微妙な顔をした高尾。





「宮地サンもう行っちゃうんですか?」

「はっ?」





コイツは。

自分の発言にもっと、自覚と責任を持てと。声を大にして言いたい。

恐らくいつもの軽口なんだろうが、それなりにダメージを受けちまったオレは一先ず高尾に向き直った。





「オマエ……この後は?」

「へ?」

「だから、この後の予定を聞いてんだろーが」

「!あ、ヒマです!超ヒマ!!」

「笑顔で言うことじゃねえだろバーカ。……とりあえずどっか座んぞ」

「宮地サンのオゴリっすか?」

「焼くぞ?」

「ははっ、すんません」





……人の休みを提供してやんだから、それなりに楽しませてみろ。そしたら考えてやるよ。

そう伝えれば、高尾はいつも通りの笑顔で「ハイ!」と返事する。

部活のときよりいい返事してんなよ。








(え、あ、真ちゃん!)
(高尾?……と宮地サン、どうも)
(うわースゲー。オフの日にスタメン三人会うとか超奇遇じゃね?一緒に飯行く?)
((緑間ァァッ……空気読めェェェッ!!))




(13/1/8)


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