高尾くんと童話の世界


(※高尾くん総受け童話パロ)
(※笠森桜宮実花氷…でます)
(※キャラ崩壊気味)
(※笑って許せる方のみどうぞ)







昔々、あるところにシンデレラというそれはそれははいすぺっくな少ねn……少女がおりました。
彼女の父は二度目の結婚で、シンデレラは血の繋がらない継母や継姉に、いつも虐められて……





「オイ!シンデレラ!」

「はーい!なんですか御母様」

「あ、いや、ムリすんなよ?この仕事は別に今日中に終わらんねーと困るようなもんじゃねえし」

「いやあの笠松サン」





虐め、られて……





「あんまりムリして体でも壊したらどうすんだ」

「はぁ…ありがとうございます」




虐められては、いませんでした。

それはシンデレラがかなり働き者で気が利く器量良しでもう何というか存在そのものが天使だったからです。





ある日、シンデレラの住む国の王子様が求婚相手を探して舞踏会を開くという報せが舞い込んできました。

この国の王子様といえば、大層イケメンで有名でした。
継母や継姉たちは、大騒ぎです。





「森山、桜井。ついに王子が婚活始めたらしいぞ」

「それは言ってやるなよー。王子様超口が悪いからイケメンなのにすぐに相手に逃げられるらしいからな。ところで何で桜井?」

「すみません!なんか自分なんかが高尾君の継姉役とかなってほんとすみません!!」

「いや……別にオレら何も言ってねーから」

「まあ物見遊山がてら舞踏会行ってみるか?きっと可愛い女のコもいっぱい来るに違いない!あ、高尾、高尾がいちばん可愛いからな!それはブレない事実だからな!!」

「すんません!なんかすんません!!」

「オマエらうっせーんだよいいから落ち着け!!!」




こうして、三人は楽しそうに出掛けて行きました。
シンデレラは危険だからという理由でお留守番です。








「あーあ。仕事も終わっちゃったしやることないし暇だわー、やっぱオレも連れてってもらえばよかったなぁ……」





ホウキを手に呟くシンデレラの見つめる先には、すっかり綺麗になった部屋が広がっています。

やることもなくなったシンデレラは仕方なく裏庭の花に水でも遣りに行こうと外へやって来ました。
するとそこには、一人の魔法使いが。





「暇そうだな、高尾」

「ブフォ、ちょ、花宮さ、せめて役名で呼んでもらえません?」

「女装もサマになってるじゃねーか」

「聞いて!」





意地悪そうな笑みを浮かべた魔法使いはするりとシンデレラに近寄ります。
そのまま背中に手を回すと、ぐいと自分の方へと引き寄せました。





「えっ、ちょ、花宮さん近い近い!」

「あ?近づいてんだから当たり前だろ?オマエ、バカ?」

「えええ」





シンデレラの頬のラインに添って、つつ、と指を這わせると。魔法使いは妖艶に微笑みます。
思わず赤くなるシンデレラに気をよくしたのか、魔法使いは持っていた杖を一振り。
あっという間にシンデレラはきらびやかなドレスに……





「ってオィィィィ!!!違う!これ違いますよ花宮さん!!!これドレスはドレスでもチャイナ!!しかもちょう際どい!!!」

「あー悪い悪い間違った」

「棒読みか!」





チャイナドレスのスリット部分を必死に抑えながら訴えるシンデレラに魔法使いはもう一度杖を振りました。
今度こそ愛らしいドレスに身を包まれたシンデレラ。若干スカートの丈が短いのを気にしつつ、魔法使いにお礼を言います。
すると魔法使いは今度は近くに咲いていた薔薇に向かって杖を振りました。

光と共に現れたのは美しい従者です。





「やっと私の出番みたいね」

「実渕サン……なぜ薔薇……?」

「あら、だってネズミとか美しくないもの」

「……」





シンデレラの視線をものともせず、従者は優雅に彼女を馬車へと導きます。





「さ、お手をどうぞ?」

「どうも」

「ふふ、綺麗な手。頬擦りしちゃいたくなるわ」

「ヤメテ!」

「オイ高尾、とりあえず言っとくけど」





じゃれあう二人の後ろから、魔法使いが真剣な顔で声を掛けました。





「12時すぎて帰ってきてみろ。絶対犯す」

「それも違う!!!」

「もー花ちゃんてばゲスいんだから。高尾くんはちゃんと私が12時までに連れて帰ってくるわよ。王子と夜遊びなんか……させないわ」

「ちょ、実渕サン最後のガチトーン怖すぎます」





12時までに帰ってこなければ、魔法はとけて。
シンデレラはいつものはいすぺっくシンデレラに戻ってしまうのです。
彼女は必ず12時に帰ると魔法使いに約束し、馬車へと乗り込んだのでした。









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