海常男前とイケメン
『海常体育館編(黄視点)』
「やっぱり、かっけえなぁ……!」
「高尾っち……ほんと笠松先輩のこと大好きっスねぇ」
「うん、ちょう好き!!」
あーあー、嬉しそうな顔しちゃって。
先に練習を始めてたらしい先輩がコート内を駆ける姿を目で追いかける高尾っち。
瞳をきらきらさせてる。
緑間っちといるときとはまた違った表情で、でもたぶん、高尾っちにこの表情をさせられんのは笠松先輩だけなんだろう。
そう思うとちょっと妬けるっスよ。
「あ、」
「あん?……って、高尾?」
「こんにちは笠松サン!」
「お、おう」
嬉しそうに駆けてく高尾っちに満更でもなさそうな先輩。
ああ、気分が悪い。
「オマエ……また何で急に、ていうか一人か?」
「はい!あ、これを各校の部長サン達に渡して回ってるんですよ」
「茶封筒……?」
「まさか……高尾っ、笠松にラブレ」
「森山さんそれもう二回目なんでもう面白くないです」
「……」
楽しそうに話す高尾っちたちを遠目に見てたら、急にその橙色の瞳がこちらを振り向くから。
慌てて表情を繕うけど。
「黄瀬くん」
「へっ?な、なんスか?」
たぶん。
たぶん視えてたんだと思う。
オレと目が合うと、高尾っちはへにゃりと笑った。
「ううん、呼んだだけ」
ああ、もう。
「高尾っちには勝てないっス……」
「え。オレら何か勝負してたの?」
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