宮地サンに振り回される
「おい、何か、デコ赤えぞ?」
「ひぇっ」
「ブッ!なんだ今の声!」
急にアンタが触るからでしょーが!
なんて仮にも先輩にそんなこと言えるわけないから、唇尖らせて「ボーッとしてただけです」と小さく呟く。
そしたら、ぱちん、とデコに第2破をくらった。
「あだっ!な、っんでデコぴんするんですか宮地サン!」
「……うっせ、そのデコが主張激しいのが悪い」
「わあちょう理不尽!」
この人はもう、なんで事ある毎にひとのデコに触るかな。
こっちの気持ちも知らないで。
「……宮地サン!」
「あー?」
「オレにもデコぴんさせてくださいよ」
「はあ?」
「だーかーらぁ!いつもオレばっかデコぴんされるから!たまには!」
「意味わかんねえよ……あ、いや、いいぜ?」
少しだけ眉を寄せた宮地サンの表情は、すぐに意地悪な笑みに変わって。
ヤな予感が過ったけど今更あとにも引けない。
「ほんとですか」って聞いた瞬間。信じられないくらいその綺麗な顔がオレの方に近づいた。
「ほら、やってみろよ」
「……みゃっ、じ、……さッ、ち、近すぎますって!」
「ぶは!いまのなに?!ネコかよ!!」
いやいやいや。アンタ爆笑してるけど、こっちはそれどころじゃないっての。
「くくっ……高尾、オマエさ、ほんと可愛いよな」
「〜〜〜ッ?!!!」
(だれか、この天然タラシどうにかして!!!)
(13/6/1)
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[mokuji]