宮地サンを振り回す







「宮地サンのそれ、地毛っすか?」

「あ?」





休憩中に話しかけてきた高尾の視線はオレの頭に注がれていて。好奇心に満ちた目がきらきらしているのが見てとれた。





「たしか髪の毛、染めてないんですよね」

「あー、まあな」

「カッコイイですよね!なんかハーフみたいで!」

「……」





無邪気な笑顔とか。近すぎる距離とか。
ほんとコイツときたら。

呆れた表情を向けたところで何の効果もないことは既に立証済だがとりあえずやっておく。





「触ってもいいですか?」

「はっ?」

「ちょ、顔こわ、宮地サン顔こわいっす!」

「オマエ……なんなの……デレ特攻隊長かなんかかこのヤロウ」

「へ?宮地サンいまなんて?体調?」





これが狙ってやってんならとんだ小悪魔だが天然ならなおのことタチが悪い。と思うのは、たぶんオレだけじゃねえと思う。

半眼で見据えたところで何の効果もないことは以下略。

それどころか。
ガキみてえな笑い顔で、高尾はオレに手を伸ばすんだ。





「ていうか、触っていいすか?」








(そして今日も振り回される)



(13/5/30)



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