黒子が見つめる先







偶然を装ってその黒髪に触れてみる。





「黒子?」





振り返る君は驚いた顔をしながらも決して嫌な顔はしない。





「どうした?」





首を傾げながら笑うその姿に見入って言葉が出てこなくても、急かしたりせずに待っていてくれるから。
ボクはいつもボクらしく君と向き合えるんです。





けど。

それはあくまでも君がボクとふたりのときだけ。





「おー高尾じゃん」

「高尾っち!偶然っスね!」

「青峰、黄瀬くん」





ストバスのコートに現れた彼らにも、同じように微笑みかける彼。




「黒子っちも一緒っスか」

「うん、オレらほら、影仲間だからさー!仲良くストバス中だぜ」

「かはっ、影ってオマエ、テツじゃあるまいし」

「高尾君は緑間君の影にしては輝き過ぎてます」

「えっうそ黒子みたいに超引き立て役じゃねオレ?」





いつだって楽しそうな高尾君は気さくで、優しくて、ボクにとっては眩しすぎる存在だ。

そしてそれは。きっとキセキのみんなも同じ。





「こんな目立つ影いねーよ」

「わっ、青峰!頭撫でんな!」

「わりーわりー、ちょうどイイ位置に頭があったから」

「ああっ青峰っちずるいっス!オレもオレも!」

「ちょ、二人で囲むなって威圧的だから!」








ほら。

そうやって、君は



誰にでもスキだらけ





(だけど、そんなキミだからこそ)



(ボクは惹かれたんです)






(13/5/21)





お題「確かに恋だった」様より




[ 94/284 ]

[mokuji]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -