黄瀬くんとボーイズトーク5



(高尾くんと黄瀬くんシリーズ)





「へ?グラビア雑誌は浮気に入るかって?」

「こないだ青峰っちと女のコの……その、胸のことでケンカになったッス」

「ブフォ!」





しゅーんと項垂れる黄瀬くんが可愛すぎて思わずドリンク噎せちゃったわ。絶対いま耳と尻尾あったらへにゃりと垂れてンだろーなあ。





「もーっ高尾っち!笑い事じゃないッスよ!」

「ハイハイ、ごめん。……けど、うん、まあ青峰っていえば確かに巨乳好きなイメージあるよね」

「うっ……」

「いやでもそれ以前の問題っしょ。黄瀬くんのこと好きなら」

「……でも家にお邪魔してもいっつもマイちゃんの雑誌ばっか読んでるんス……」





元気のない黄瀬くんになんとなくオレまでつられて悲しくなる。
実際オレに関して言えば、緑間は青峰じゃないからグラビア云々とかの心配はないし。そもそも浮気とか考えたこともない。

といってもそれは、黄瀬くんが青峰を信用してないとかそゆんじゃなくて。





「不安、なんだよなあ」

「……そう、なんスかね、やっぱり」

「でもケンカしっぱなしは良くないよ。ケンカするほどなんとか、って言うけどさ」

「……はい」

「ちゃんと伝えれば青峰だって分かってくれると思うし」





フツーに、フツーと違うってのは。少なからずの気配りがいるもんだ。
黄瀬くんは無意識に人より周りがよく見えちゃうタイプだし、オレからしたらだいぶピュアだから余計、気苦労も多いんだと思う。

でも、たぶん、これはオレの勘だけど。青峰もおんなじなんじゃねーかな?
黄瀬くんとの距離を、掴もうと空回ってんじゃねーのかな。って。





「……よしっ、ちょっとそれ貸して?」

「へ?あ、どーぞ」





あることを思いついたオレは、黄瀬くんの手元に置いてあったスマホを手に取り勝手に操作する。
不思議そうに此方を眺める彼の隣に移動すると、ひとまずこれ以上ないくらいに密着した。





「えっ?え?!どうしたの高尾っち?」

「いーからいーから、ハイ、笑顔〜っ」

「???」





ピロリン



と間抜けな電子音と共に撮影終了。
あとは適当に本文つけて、っと。





「え、まじどうしたんスか急に……」

「よしコレでおっけ!青峰に「黄瀬くんは頂いた!返してほしくばマジバに来い。カイトー鷹の目(笑)」って送っといたから!」

「…………は?」

「オレもう行くし、ちゃんと素直な気持ち伝えて仲直りしなよ」

「えぇっ?!た、高尾っち……えぇぇ?!!」

「じゃ、またな〜」





二人がちゃんと仲直りできますよーに。








(黄瀬くんのアドレスから「黄瀬はオレのもんだバカヤロー」って明らか青峰からのメールがきてニヤけたのは、)
(家に帰りついた頃の話)



(13/1/6)




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