り「凛凛」


(【凛々(りんりん)】
勢いがあり勇ましいようす。
りりしいようす。
寒さ・威光などが
身にしみわたるようす)








「ずがたかいぞ」

「わあっ…せーちゃんまじいけめん!もっかいゆってー!」

「ふん、かずなりはよくわかっているな…よくきいておけ。オマエたち、ずがたかい」

「きゃー!」








「という夢を見たんだが」

「まじか。てか赤司って子供の頃からズガタカ発言してたの?!」

「そもそもオマエとは幼稚舎で会った記憶はない」

「いやオレもねえよ!!」





和成の存在を認知し意識し出したのはウィンターカップからだからな。
まず夢に他人が出てくること自体が珍しいのに、まさか幼少姿の和成をあんな形で拝めるとは思ってもいなかった。

きっと実際の子供時代は今よりももっと無邪気で愛くるしかったに違いない。





「逆に赤司の子供のころってなんか想像つかねーわ」

「そうか?とても理知的な子供だったと自負はしている」

「子供に“りちてき”ってのが既に違和感だけどな。まあ、でも」





わずかに笑みを含んだ鷹の目が、此方を捉えたのがわかった。

此方も真っ直ぐに見つめ返す。





「きっと赤司は、昔から変わらないんだろうな」

「……?」

「佇まいがさ、澄んでるっていうか。一本芯が通ってるっていうか」

「……和成には、僕はそう見えているということか」

「ん。赤司のそういうとこ、尊敬してるし」

「……、そうか」





さらりと、当然のように零れた言葉は。



自然と僕のなかにおちてきた。





これから先、オマエの前では揺らぐことなく凛としていようと。








(その笑顔に静かに誓う)



(13/3/25)



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