黄瀬くんとボーイズトーク26


(高尾くんと黄瀬くんシリーズ)





ぽかぽか陽気に鼻唄なんて歌って。

桜並木を眺めてたら誰よりも明るい黄色が駆けてきた。





「高尾っち〜、お待たせっス!」

「大丈夫ー全然待ってないから。つーかここ暖かくてさあ……」

「寝ちゃダメっスよ?!」

「いや寝ない寝ない」





薄手のジャケットをオシャレに着こなす黄瀬くんは周りの注目をかなり集めてる。まぁ本人はさして気にした様子もなくオレの肩を揺すってるけど。
本気で心配されて思わず笑みが零れた。





「いや〜、しかし春だねえ」

「……高尾っち、何かおじいちゃんみたいっス……」

「えええ!?」





並んで自然と歩き出す。
今日は黄瀬くん案内でこの辺をブラブラする予定だ。
綻びはじめた桜の木の下を歩きながら特に他愛ない話をするオレら。

不意に横目に黄瀬くんを見たら、そっちもオレを見ていて目が合った。

何となくくすぐったい。





「ねえ高尾っち」

「ん?」

「これからも、たまにこうしてのんびり過ごしたいっスね」





そう言ってニッコリ笑うから。

つられるようにオレも笑った。






(優しい気候に包まれて)



(13/3/22)



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