お「押押」


(【押せ押せ(おせおせ)】
意気さかんにおしまくること。)







(※ほんのりゲス黄瀬くん)








「キス、していいっスか?」

「へっ?」





キョトンと見上げてくる顔は隙だらけ。それだけオレのこと信頼してくれてるってことだと思うけど、高尾っちはそろそろ自覚した方がいい。

オレたちに、そーゆー目で見られてるって。

わざとゆっくりと覆い被さるように唇を吸えば驚いたまま固まる二つの瞳。





「え……き、せく……ええっ?」

「ン、もーいっかい」

「ちょ、ま……っ!ん、ぅ…ッ」





ぐ、と胸を押し返されるけど、まさかそんなんで抵抗してるつもりかと笑みが溢れる。
もし相手が緑間っちなら傷つけるには弱いし、相手が青峰っちなら煽るにも弱いやわらかな拒否。

もちろん、オレにしてみればそれは拒絶にも入らない。





「高尾っち、まだまだ足りないっス」

「き、黄瀬く…ちょっと待っ…!」

「待てないし、待たない」





首筋を動脈に沿うように舐め上げ、また襟首の方へと潜る。鎖骨にキスして、痕を残す。





「ひ、ァッ」





ああ、高尾っちが感じてる。

その鼻にかかる声も火照る頬も全てがオレを欲情させるんスよ。





すき





なんて、安い言葉はいらないから。
高尾っちの全部。

オレにちょーだい。








(だれにも渡さねーよ)



(13/3/4)


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