王子と姫
掌にそっとキスして。
跪いたままその澄んだ緑の瞳を見つめた。
「愛しています」
「……っ」
その頬が桃のように朱を帯び色づいていくのがわかって、自然と笑みが浮かぶ。
絡み合う指は
「高尾、もういい黙れ今すぐ離れろ」
「えー真ちゃん今からがイイトコなのに中断したらダメじゃん」
「何がイイトコ、なのだよ!だいたい男だけで童話劇をやるのかが理解できん!そして何故オレが姫で高尾が王子なのか更に理解に苦しむ!!!」
「それはクラスの女子に聞いてくださーい」
「もう一度話し合いを要求するのだよ……!!」
勿論、却下されました。
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