漂う色香
「動くとすぐ汗かく」
「オレもわりと汗かくけど青峰結構すごいよな、つーか人のタオルで汗拭かないでくれる?」
「ケチケチすんなよ」
そういう問題じゃないと突っ込もうとしたら、褐色の喉元を伝う汗の滴が目に留まる。
普段はアホな話ばっかしてて忘れがちだけどコイツの色気やばいよな。
とても同い年とは思えない。
「汗、流れてっけど」
「……!」
つぅ、と首筋の汗を指先で浚えばビクリと大袈裟に反応がある。
深い海の色した両眼がオレの方を向いた。
「高尾。拭い方がエロい」
「青峰。意味が分からない」
真顔で告げられた言葉にとりあえず笑顔を返しといた。
オマエこんなんばっかだなオイ。
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