イベントテンション注意








ガタガタッ





「ななななんスかこれは……!!!!!」





夕食の席で、大きな音と大きな声に振り返れば黄瀬くんが驚愕の表情で何かを凝視していた。

不思議に思いながらも彼の向かいに座ってる意外な人物に声をかけてみる。





「黒子ォ、黄瀬くんどーしたの?」

「いえ、別にたいしたことですが」

「たいしたことなんだ」





好奇心で笑いながらそちらへ向かった結果。オレも同じくらい驚愕することになる。





「ちょ、黒子?!!なんでオマエがこれ持ってんのおかしいだろ!!!」

「秀徳の学祭で女子生徒の方が販売していたのを購入しただけですが」

「ええええ!!?」





黄瀬くんが見ていたのは数枚の写真。
そして、被写体は、オレ。

ただの写真ならまだいい(いや黒子が持ってる時点であんまよくない、かも、だけどこの際そこは)。

その写真の姿には確かに見覚えがあった。





「これ文化祭で冗談半分でメイド服とか着たやつじゃん!うっわ!ちょうハズイ!なんで流出してんの!!!」





ビラビラの洋服着て爆笑してる自分とクラスメート。
その場のノリで着たものがまさか形として残って更には知り合いの手に渡っていようとは。





「可愛いですよ、高尾君のメイド姿」

「いやいやいやいやありえねえから!燃やして!!この写真燃やしてお願いします!!」

「僕の大事な高コレなのでむりです」

「は?高コレ??」

「高尾君コレクション」

「よし、燃やそう跡形もなく!」





いつもの無表情でこの写真の(メイド服の)良さについて切々と語りだそうとした黒子の腕を、今まで固まっていた黄瀬くんが突然わしりと掴んだ。





「黒子っち…!!」

「黄瀬くんも何とか言って…」

「その写真。オレにも焼き増してください」

「黄瀬くんんんんん?!!!!」





誰かたすけて。








(高尾っち、今度ホンモノ用意するっス)
(着ねえよ?!!!!)



(13/2/25)




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