宮地サンの賞味期限
「宮地サン!ほらこれ見てください!」
「あ?何だよ、ドデカ○ンじゃねえか」
「じゃなくて、ここ!」
高尾がグイグイと示してくるのは、キャップの輪っかの部分。
目を細めて見ればそこに表示されている数字が目に入る。それは。
「賞味期限?」
「そう!これ、宮地サンのですよね!賞味期限!」
「ちょ、オマエ待てコラ」
「え、何で怒ってんすか」
いや意味は分かったがその言い方だとそこに表記されてんのがオレの賞味期限みてえじゃねーか。
高尾に悪意の欠片もないのはわかってっけど。
並ぶ数字には確かに見覚えがあったから。
「たまたまコンビニで買ったら宮地サンの誕生日だったんですよね」
「賞味期限が誕生日とかあんま嬉しくねーんだけど」
「えーっ?こういうのって地味にテンション上がりません?」
「べつに」
そうかなー、とペットボトルを弄る指先を横目に見ていたら。
相変わらず能天気そうな顔で高尾が笑った。
「あ、もし宮地サンに賞味期限きてもオレはいつでも大歓迎なんで!」
とりあえず何かムカついたから後ろから叩いておいた。
(オマエの賞味期限切れたら容赦なく処分すっから)
(えええ?!!)
(13/2/24)
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