手折れ華
(※ゆるっと閲覧注意)
(※前半→高尾くん、後半→実渕サン視点)
男同士だと、そりゃまあどっちかが後ろを開発されるわけだけど。
立ち振舞いとか、趣味とか、思考とか。
一緒に過ごし始めてからの時間のことを考えると、今のこの体勢ぜってーおかしい。
「……と思うんですけどォ……ッ!」
「うふふ、やぁだ和君ったら、冗談が過ぎるわよー …っ、告白だって私からだったじゃない……っ?」
「っや、まぁ、そう……っなん、ですけど、ね?!」
玲央サンとベッド上でお互いの肩を押し合い出して早五分。
ぶっちゃけ何やってんの状態というかナニしようとしてたハズなのにマジで何でこんなことになってんの?
「玲央サン、ビジュアル的にもキャラ的にも女子じゃないですかっ!」
「あら、それって暗に私が可愛いって言ってくれてるの?やだ嬉しい」
「まぁつまりそういう事ですけ……どわぁっ」
勝負は、一瞬でついた。
「でも……和君は、私に抱かれるのよ?」
覆い被さるようにこっちを見下ろしてくる玲央サンが、あまりにも妖艶で。
オレはすっかりその空気に飲まれてしまった。
◇ ◇ ◇
「ふっ、ァ!あっ、アッ、……っ!」
「あはっ、も、ほーんとっ、和君ったら……こんなに、厭らしい子、だったなんて……っ」
「れ、おさっ、……ンぁ、もっとぉ……ッ」
「……っもぉ、欲しがりねぇっ、」
和君はたぶん一発ぶちこんだらネコに目醒めるだろうとは思ってだけど、ここまでとは。
ちょこまか動き回るところとか、無自覚に周りを翻弄しちゃう所とか、この子を自分の手元に置いて愛でられたら凄く魅力的ね。
そう考えながらも行動には移さなかった高校時代。
大学に進学して一年が過ぎて、和君のこともぼんやりとしか思い出せなくなってきていた頃。
偶然か必然か。彼が同じ大学に進学してきた。
キャンパスで彼を見つけたときは、それは驚いたわ。
しかも、あっちから声を掛けてきてくれるなんて。
そこからは順調に親密度を上げて、頃合いを見計らって私から告白したのだけど。
付き合いだして半年。独り暮らしの和君の部屋に遊びに来ることが決まってよし、今日ヤるわよと意気込んで来たらまさかの和君の方が私を押し倒そうとするもんだから反射的に押し返しちゃってその後よく分からない攻防もあったけど、当初の予定通り無事に和君のナカへお邪魔する運びとなった。
え?つまりぶちこんだのかって?
やだ、そんなはしたない事言っちゃダメよ。
「どぉ?きもちい?」
「はぁっ、……ン、おく、あたってぇ、……きもち、っぁ」
後ろから抱え込むように突き上げたら最初こそ逃げるように体を捩っていたのに、今となってはこっちを絞りとる勢いで艶かしく腰を動かす和君。
もう何度となくイったはずなんだけど。
まだまだ元気みたいね。
和君自身には触れもしてないのに完全にトコロテン状態で俯せてる先のシーツはもう彼から溢れ出た欲液でぐっしょりと濡れている。
たぶんそんなのもう、気にもならないくらい感じちゃってるんだろうけど。
じっとりと汗ばんだ頬にキスをして、いちばん反応の良かったとこをぐり、と刺激する。
ひっ……と息を呑む音が聴こえた。
「ア、あ、んぁ……ぅあっ……!」
身悶えよがる姿に、酷く昂る。
きっともう、この子以外、
抱けないわね。
漠然とそんなことを考えながら、もう何度目になるか分からない絶頂を、互いに迎えた。
「はっ、……ふ、はぁ……っれお、さん……」
「……ん、なぁに?」
「……っすき、です……」
「!……ふふ、私もよ」
ね?
きっと、もう、
(いっそのこと離れられないように、)
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