ネコとイヌと、もう一匹のネコ。
(※動物パロ)
(※黄→高←青)
くろこっちのお家で飼われているオレ、イヌのりょーたは、ネコのたかおっちが大好きである。
もうあの黒い毛並みとか眠たげにくろこっちに擦り寄る姿とかたまんない。
ヒマそうにゴロゴロしてるときに近寄ってくとほっぺたを笑顔でぺろってなめてくれるのが特に可愛くて。
あと発情期のときの乱れっぷりときたらそれは!もう!でも「恥ずかしいからくろこにはナイショな」とかほっぺた赤くして恥じらう姿もちょうカワイーんスよ!!
そんなこんなで今日もオレはたかおっちのとこに寄ってくわけだけど。
「ふぁ……みゃぁ、」
「たかおっち!あーそぼ!」
「りょーちゃん、そとはまだ寒いって〜」
ああ。たかおっち今日もほんとカワイー。
干したての布団に頬擦りしながらもしっかりと横目にオレを捉えてるみたいで。
こてんと首を傾げる。
「りょーちゃんもいっしょにお昼寝しよ?」
「えっ、いっしょに寝ていいんスかそんなオレたち種ちがうのにでもたかおっち好きだからそんなんカンケーな」
「オイきせ、ジャマだ。どけ」
「ふぎゃ!」
いきなり後ろから尻尾を踏みつけられ跳び上がる。
こんなことすんのはこの家でひとり、いや一匹しかいない。
「あおみねっち!痛いじゃないっスかぁ!!」
「そりゃ踏んだからな。いいからさっさとどけよ、きせェ」
「いやっス!今からたかおっちと寝るんスから!!!」
「ああん?!」
くろこっちに飼われているもう一匹のネコ、あおみねっち。
深い青の毛並みが特徴的なヤンチャもの……いや、暴君に近い。オレに対してだけ!
たかおっちにもチョッカイ掛けてるけどなんやかんや優しいし、くろこっちには基本甘えているクセに。
オレのためにくろこっちが買ってきてくれたビーズクッションをボロボロにしたり、外から帰って来たら汚れたままオレに突撃してこのオレの綺麗な毛並みをドロドロにするし、餌横取りや寝床奪われたりとかはもう日常茶飯事。
ネコなのに態度デカすぎっスよ。
特に、たかおっちとじゃれてると、確実にジャマされる。
事実ジャマされている、現在進行形で。
「……。たかおとはオレがねる」
「ダメに決まってるでしょ!なんかその間ガチっぽくてコワイ!」
「ちょ、あおみねもりょーちゃんもケンカはやめてさ、皆でいっしょにお昼寝しよーぜ、な?」
「「……」」
結局たかおっちには敵わない。
そんなふにゃふにゃした笑顔で言われたら聴かないわけにはいかないっスよ。
どうやらあおみねっちもそれはおんなじみたいで、いそいそとお布団に潜り込む。
オレもそれに倣ってたかおっちの隣に寝ころんだ。
両サイドに寝転がったオレらに満足気に微笑むと、たかおっちはまたもそりとお布団に擦り寄った。
あおみねっちとオレの手を、それぞれ握りしめて。
「「……っ!」」
「にゃははっ、こうしてると、なんか親子みたい!」
そうして「かわのじ〜」とかいって笑うから、オレらも、つられるように笑った。
(あれ?みんなしてお昼寝ですか……ふふ、仲良しですね。)
(くろこっちがやさしく見下ろしてくる気配を感じながら、微睡むある晴れた昼下がり)
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