きみと一緒に。
(高尾くんと黄瀬くんシリーズ)








「今日だけ!今日だけでいいっス!」

「えっ、オレで良ければ」

「えっ」

「えっ?」








撮影の相方になるはずだったモデルが急に来れなくなるとか、いやいやそんな漫画的な展開あるわけ。
と思ってたらまたまたま高尾っちがオレの仕事見に来てくれたその日にそれは起こった。

しかも現場の仲の良いカメラマンが高尾っちのこと気に入っちゃって「よしオマエ頼んでこいあの子なら今回の服のイメージにも合うし顔も悪くないイケる」とか真顔で言われて話は冒頭に戻る。



絶対ムリだと思って頼んだのに高尾っちは笑顔で頷いてくれた。





「黄瀬くんの手助けになるなら喜んで!」

「高尾っち……っ」





やっぱり高尾っち天使だった。



それからあれよあれよと衣装さんとメイクさんに連れてかれた高尾っちが撮影現場に入ったときの女性スタッフさんの反応といったら。
いやオレもちょっと固まっちゃたけど。

ストリート系をこなれた感じに着こなす姿はフツーにモデルみたいだし、前から思ってたけど肌がめっちゃキレイ。
オレがデカ過ぎて気がつかなかったけどタッパもそれなりにあるからルーズなパンツでも全然脚は長く見えてるし、遊びと可愛さもしっかりでている。

少し照れくさそうに近寄ってくる高尾っちを呆然と眺めてたら「これ大丈夫?黄瀬くんの横立っておかしくない?」とか尋ねるからスタジオ中に響くくらいの声で「まさか!超似合ってるっス!!!」と叫んでしまった。

それからはカメラマンの指示に従って撮影開始。
高尾っちは笑顔を崩すことなく要求に答えていく。





「なんかこんなにくっついてると前にプリクラ撮ったときのこと思い出すね〜」





カメラを向けられても全く物怖じしない。さすがと言うかなんと言うか。そっと囁かれた言葉に自然と笑みが零れる。





「そうっスね。あ、もっと寄れるっスよ!」

「何ならほっぺちゅーまで大丈夫っす」

「ぶは!!!」








その後びっくりするくらい撮影はスムーズに進んで、最後の方には担当さんから何か名刺とか渡されて恐縮している高尾っちの背中を眺めながら。
やっぱり、高尾っちといるとすごい自然体になれるんだよなぁ。とぼんやり思う。
でも仕事しながらあんなにリラックスして大丈夫だったのか少しだけ懸念しつつ、出来上がった写真を見て二人で笑い合った。








後日。








「……高尾、これはどういうことなのだよ」

「ブフォ!ちょ、真ちゃんその雑誌買ったの?女性誌なんだけど」

「それはたいして重要ではない」

「まじかよ」

「なぜ黄瀬とこんな親しげに写真に写っているのか聞いている……!!」

「何か頼まれて、でもモデルとかすごい経験させてもらっちゃったわ!」

「そうゆーこっちゃないのだよ!」

「えー、でもよく撮れてると思わない?黒子からは『コンビショットごちそうさまでした』ってメールきたぜー?」

「黒子ォォォッ!!!」








(高尾っち……黒子っちとオレ、緑間っちにマジバに呼びだされて延々と説教されたんスけど)
(まじかwwwwww)
(しかも途中からいつの間にか黒子っちだけいなくなってたっス……)
(黒子wwwwミスwwwディレwwwのwww使い方wwww)






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