(一)






ぽっかり開いた視界はやけに広くて、オレは少しだけ首を傾げた。

その視界に映るのはややくすんだ白ばかり。



そこへ不意に飛び込む目映い色。

寝起きにはきっついカラーだなあと目を細めたら、現れた明るい髪のお兄さんがオレの両肩を勢いよく掴んだ。
痛くはない。ただ驚く。

あれ?

このひと、知り合い?



というか、あれ?








「高尾……!」








たかお、って、





だれ?










プツン、と。
電源がおちるように。



オレの意識はまた闇へと消えた。










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テーマ「人外ファンタジー」
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