(※赤司様(及びだいたいみんな)が大幅にキャラ迷子です)
「好きです。結婚を前提にお付き合いしてください」
「お断りします」
「なぜだ和成!こんなにオマエを愛しているのはボクくらいだぞ!」
「重いわーオレには抱えきれない愛の重さだわーだから申し訳ないんだけど京都に帰ってください」
頭を下げたあと、和成は「な?」と首を小さく傾げる。
その仕草に胸を高鳴らすボクを尻目にそのまま背を向けようとするから、とりあえず後ろから抱き締めようとした。ら。
「ぬどりゃぁぁぁっ!!!」
「あ」
「一本!」
投げられた。
薄れゆく意識のなかで、WCのときのことが脳裏に走る。
というか真太郎。「一本!」じゃないだろうボクの心配をしろボクの。
WC。ボクは運命の恋におちた。
正直試合のときから気にはなっていたんだが。
閉会式のすぐあとに真太郎と会って。偶々、そうたまたま少々苛立っていたボクは、まぁキミが努力家なのは認めるが所詮天才に勝る努力などはないんだよ可哀想にとドヤ顔で彼に告げたんだ。
次の瞬間、ばぁんっという派手な音と共にボクは天井を眺めていた。感じるのは背中の痛みだけ。
「た、高尾……見事な一本、なのだよ」
真太郎の一言で我に返り見上げた先にいたのは、切れ長の瞳をきらりと光らせた秀徳のPG。
しかし今その目に浮かんでいるのは明らかな敵意で。
「赤司様だかなんだか知んねーけど、ウチのエース様のことを侮辱すんじゃねえよ」
そのまっすぐに向けられた意思の強さに、心臓を撃ち抜かれた。
「その日からボクの和成への片想いが始まったんだ……」
「征ちゃん……高尾くんもう行っちゃったけど」
「フッ、簡単に靡くなんて思っていないよ。だが、ボクの人生に敗北という文字はない、恋愛においても!」
(背負い投げされてる時点で色々敗北してる気がするわ……)
そして今日もボクの片想いは続く。
(和成!今日は受け身の練習をしてきたぞ!)
(赤司……オマエ、バスケしろよ……)