(※総受けというより各校のPGが集まってわちゃわちゃしているだけ)
(※生暖かい感じで見守ってください)







ある日突然、赤司に呼び出されたオレ、高尾和成は現在各校の名だたるプレーヤー(しかもPGばっか)の集まる部屋に連れてこられていた。





「という訳で第一回各校PG・ズガタカオヤコロ集会を始めようと思う。先ずは改めて皆、自己紹介からお願いしたい」





一際存在感を放つ赤い髪の洛山主将・赤司の一言に、周りにいたメンバーが一瞬ざわつく。

いや、というか、え、なに集会?なに集会って言ったいま??


助けを求めるように向かいに座っていた伊月さんに視線を送るけど、何も聞いてないとばかりにブンブンと首を横に振る。
このまま自己紹介の流れに入るのかと思わず立ち上がりかけたところで、右隣に座っていた笠松サンが「悪ぃんだけど」と声を上げた。





「あー、海常の笠松だ」

「涼太の所の主将だったね」

「ああ…何なんだこの集まりは?」

「PG組(中略)集会て言うとったけど、ホンマようここまで各校のPGばっか集めたなぁ」

「君は……大輝の、」

「桐皇の今吉や」

「そうか、オレは洛山の主将、赤司征十郎だ」





気のせいだろうか。
着々と自己紹介も同時進行している気がするのは。
伊月さんとお互いに第三者には分からないアイコンタクトを取るけど完全に鷲の目が「帰りたい」と告げている。
いや、鷹の方も全力で帰りたいです。

そんなとき、隣に座っていた宮地サンみたいな明るい髪色の……確か陽泉のPGさんがぼそりと呟いた言葉が偶々耳に届いた。





「帰りてえ……」

「あの、確か陽泉の」

「福井だ。オマエ、秀徳のPGだろ?」

「あ、高尾でっす。はじめまして」

「おう、ハジメマシテ」

「てか何か……福井さん、視点が、すごい近いっすね」

「あん?……まぁ、言われてみれば、」

「身長、何センチですか?」

「ひゃくななじゅうろく」

「えっ、一緒!」

「まじかよ」





「いやそこ意気投合してんじゃねえよ」





いきなりバッサリ会話をぶったぎられて福井さんとオレは同時に声のした方を見る。
そこには、不機嫌そうに顔を歪めた花宮さん。





「あ、花宮さんも混ざりたかったんすか、どうぞどうぞ!」

「高尾……、オマエそれ本気で言ってるのか……」

「へ?伊月さん?」





会話に混ざりたかったのかなって話を振れば、伊月さんから信じられないものを見るような目を向けられた。
え、なんで……?





「つうか高尾オマエ、赤司サマのリアクション見てみろよ」

「へ?」





花宮さんの言葉に視線を赤司へと戻せば、ばっちり目が合う。柔らかく微笑まれ何となく背筋に薄ら寒いものが走った。
ていうか、花宮さん。赤司様、呼びって。





「和成。ボク以外のPGと親好を深めるのは構わないが、節度は守るんだよ」

「お、おぉ…?」





節度のなんたるかがイマイチわからなかったけど、とりあえず頷いておく。
福井サンから「オマエも大変だな、」と頭をくしゃりと撫でられ笑うしかない。





「和成、節度」

「いやそんな“お手”みたいに節度言われても……っていうか今の何がアウトオブ節度だったわけ?!」

「無防備すぎるところだ」

「えぇぇ……?」

「高尾、オマエも面倒な奴に気に入られたな」

「笠松サン……よかったら替わりません?」

「……悪い」





素直に謝られた。
そんな笠松サンの先の質問を繰り返すように、もう一度赤司に向き直る。





「で、結局この集まりってなんなの?」





尋ねれば、やっぱり相変わらずいい笑顔で。





「言ってしまえば主にPGというバックグラウンドのもとボクと和成が親睦を深めるPG集会だ」





と宣った。





いや、ぶっちゃけすぎだろ。

すかさず笠松サンが「ンな個人的なことのためにオレらまで呼んだのかよッ!」とツッコミをかましてくれたけど。ほんと、その通りです。





「まぁ折角呼ばれたんやから、ワシらも高尾君と親睦深めたいわぁ」

「節度さえ守ってくれたら構わないよ」








最早つっこむ気力もなくなってきたよ真ちゃんオレ秀徳帰りたい。

向かいの伊月さんが窓の外の小鳥を眺め始めたから、オレもそれに倣ってみる。

あ、イイ天気。





ぼんやり現実逃避しようとしたオレの頭にぽんぽんと手を置いて、福井サンがもう一度「オマエも大変だな、ほんと」と呟いた。








(そこ!和成へのお触りは禁止だ!!)
(えぇぇ……)






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