金ちゃんも二十歳になったし、飲み会やるで!全員参加せな毒手や。と白石先輩からメールが来たのは1週間前だった、そして開催前日の夜にその詳細と参加メンバーについてのメールがあった。
チーム一丸となって、全国大会へ挑んだ。悔しい結果にはなってしまったけれど、あの夏は確かに青春だった。優しい先輩、可愛い後輩、大好きだった恋人。部活中心の生活だったけれど、あの頃なくしては、今の私はないと思う。それだけ、大切な時間だった。
「みんなグラス持ったかー?ほな、かんぱーい」
「「かんぱーい」」
ね、ね、ひかる。
さき。どないしてん。
なんか、変わらないね。みんな。
先輩ら、酒入ると余計ウザいわ。とくに謙也さん。
でも、ひかるなんだかんだ楽しそう
ほんま、かなわんわ。お前には。
ひかる。
ん?
あたしと付き合ってた頃、幸せやった?
…藪から棒に
あたし幸せだったよ。喧嘩もしたけど、いつも光はわたしに笑顔をくれたの。
俺も。なんちゅーか…今さらやけど、めっちゃ幸せやった。おおきに。
「ざーいぜーん!!さきー!!飲んでるかー?!」
「謙也さん、酒入ると3割増くらいでウザいっすわ」
あたしは笑った。何年経ってもあたしたちの絆は変わらない。きらきら、輝き続けるんだろう。
「マネージャー」
「オサムちゃん、」
「ええ顔しとったで。」
「見てたんですか。しかも遅刻ですよ」
「教師やし、忙しいねん。バイト三昧の大学生と一緒にしたらあかんでー」
そういえば、この人は一応監督であり教師だったな。いつも監督らしからぬ言動と行動で先輩を呆れさせてたっけな。
「…私、今まで別れなんて悲しいものとばかり思ってたんです。でも別れも含めて、いい出逢いってあるんですね。」
オサムちゃんは何も言わずに優しく頭を撫でてくれた。
好き、ていう気持ちが消えたら嫌いになるわけじゃない。だって、たくさんのかけがえのないものをくれた人だったから。
そして一緒にあの夏を駆け抜けた仲間たちだから。
白石先輩、小石川先輩、銀先輩、謙也先輩、千歳先輩、ユウジ先輩、小春先輩、金ちゃん、オサムちゃん
ひかる。
「大好き!」
そうやって貴方は、私の永遠になる
110327