白いページ
2011.17th.Nov(Thu) 2315
さよなら。
それは、別れのことば。
明日も会いたいと願うから、私はさよならは言わない。それは、ほんの小さなこだわりだった。けれど、そう決めたのは、いつだろう。
あなたが前を見ている間、私は何処を見ていた?
最初は横目で気にかけてくれているだけで充分だった。応援したかった。 彼が成功と勝利を手にして喜ぶ笑顔が見れれば良かった。
それは突然現れた。 ほんの小さなぼんやりと影だった。 始めは気にしなかった、次第に大きくなっても、私は見て見ぬふりをした。 はっきりと気づいた頃には、もう手に終えなくなってしまっていた。 影は更に闇を孕み、私を支配した。
私は彼には何も言わなかった。 それは、私を支配した闇への最後の抵抗だった。 光が眩しければまぶしいほど、影は色濃く現れてしまう。
光の近くにありたいと思うことすら間違いだったのだろうか。
私は、耐えなれなくなった。誰も悪くないの。彼も光も影も。悪いのは、影と向き合わなかった自分だ。
それでも、私は。
「さよなら」
逃げだ、と私は思った。 けれど抗う術も分からないのだ。
助けを乞う資格もない。
別れのことばを押し付け、私は逃げた。
だから、これは罪なのかもしれない。