27.ネクタイ(お蔵入りバージョン)



(※諸事情あって、お蔵入り)


「遅い」
「ごめんね、佐伯くん」
「着替えに時間かかりすぎ……って、ネクタイ、まだしてないのか」
「うん、あのね……このネクタイ、なかなかうまく結べくなて……」
「つまり出来なかった?」
「うん……」
「仕方ないな。ちょっと貸せ」
「ご、ごめんね、佐伯くん……」
「ボンヤリな上に不器用っていいとこなしだぞ。精進するように」
「うん、頑張るね」
「ったく、バイト初日から前途多難だな。つーか、これ、逆だろ。立場的に」
「逆って?」
「こういうのは、普通アレだろ。女の人が男のネクタイを結ぶもんだろ」
「『はい、アナタv』みたいな?」
「そう、それ」
「……佐伯くんって割と亭主関白思考?」
「別にそんなこたぁ言ってないだろ。ただ、ちょっと良いかな〜って、思わなくも無いような……」
「…………」
「つ、つーか! 手元、ちゃんと見てたか? 次、自分で出来なかったらチョップの刑だからな、このボンヤリ」
「うん、ちゃんと見てる。……ね、佐伯くん」
「何だよ?」
「ネクタイ、自分で結べるようになったら、わたしが佐伯くんのネクタイを結んであげるね」
「……は!?」
「その、今日のお返しって意味なんだけど……」
「……ああ、そっか。お返しか……何だ……」
「どうかした?」
「何でもない! ほら、行くぞ、新人!」
「うん!」
「返事は“はい”!」
「はいっ!」



2011.10.01
*マスター「仲が良いなあ……( ´v` ) 」
*デイジーバイト入り初日とか、ね!
*佐伯っくんはデイジーの「ネクタイ結んであげるね」に早とちりしたんだと思います。
**諸事情(デイジーのネクタイ)あって、お蔵入りなのですorz
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