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▼ 揺れるしっぽに首っ丈の彼 バレンタインSS

 今日はバレンタインデー。言わずと知れた女の子から男の子にチョコをあげて想いを伝える日。
 前置きはさておき、ポニーテールの日でさえ長文のメッセージで「絵を寄越せ(つまり要約するとこういうこと)」なんて言ってくる某ポニテ大好きさんが、何も言ってこないわけがないので、私は予め神崎ちゃんと櫻子ちゃんの絵を描いて0時ぴったしに送りつけた。
 すると、珍しく電話がかかってきた。通話じゅえる以外で話すことは少ない。

『絵、なかなかいいではないか』

 心なし小声なのは、きっと家の事情なのだろう。

『はいはい、これでいいんでしょ?』
『いや、しかしだな』
 
 嫌な予感しかないんですが……。私は柳くんが次の言葉を言い出すのを聞きたくない気持ちで待った。

『俺は、苗字がポニーテール姿でセーラー服を着て、チョコレートをくれた方が喜ぶぞ』
「黙れ変態」
『そうか、来年はそうしてもらおう』
「だが断る」
『セーラー服は用意しよう。チョコレートだけ用意してくれたら構わない』
「何で上から?!百歩譲っても、チョコは用意しませんから!」

 せっかく、頼まれずに絵を描いてあげたのに柳くんったらわがまますぎる。もちろんセーラー服も着ないしポニーテールもしないし、来年は絵もあげないんだから!なんて思いながら、恥ずかしげにチョコレートをこちらに向けるギャルゲの女の子を見た。

(~20220306)執筆


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