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▼ 愛の杯と毒の雫



母に溺愛された姉と捨てられた妹。10年ぶりに再開した二人が一人の男を巡ってテニス部で戦いを繰り広げる。

「私は恵まれすぎていると思う。でも、それが仇となって辛いことや苦しいこともあるの」

「母からの愛をあんたが全部奪った!だから、あんたなんかにこれ以上愛をあげるものですか」


 小さい頃から母に溺愛され、大事に大事に育てられた。私の一つ下に妹が生まれたが、それでも母は私ばかりを可愛がった。服もおもちゃも私の方が多く買ってもらったし、母は私のことを決して怒らなかったが、妹にはよく叱っていた。
 私が五歳の時に母と父が離婚した。原因は母の不倫。父の会社の社長と浮気をしていた。金目当てなのか本気で愛したのかは分からない。
 母は私だけ連れていくと言って家を出た。そして、不倫相手であった男のもとへ行った。そこでは何不自由なく暮らせたし、欲しい物はすぐに手に入った。しかし、馬鹿でかい家や使用人など、世間的に普通でない生活のせいで小学生の時は周りと噛み合わなかった。近くの公立中学に一緒に上がりたくなかったために、母に頼んで少しばかり遠い私立中学を受験した。母は私のためなら家庭教師だろうが何だろうが呼んでくれたため、問題なく合格した。
 小学生のときに散々痛い目にあって学習したので、中学ではちゃんとした学校生活を送れた。口が裂けても財閥の令嬢なんて言わないし、どんな生活をしているとかどのへんに家があるだとかも極力口にしなかった。執事の送り迎えも断るどころか電車で行かせてくれと頼んだ。心配性の母だからなかなか許してくれなかった。参観日も父には来ないでくれと頼んだ。偶にテレビに顔を出しているから大騒ぎになりかねない。
 そうして、無事に中学は終了。高校生になってからは、友達に誘われてテニス部のマネージャー始めた。帰りが遅いから、電車通学をやめるという条件をつけられたが、こちらの事情もあるのでやたら長い黒色の車で迎えにくるのはやめてくれと言った。二年生になると、後輩が入ってきた。その後輩こそが妹だった―――。

姉が好きな人を妹も好きになり、二人が恋敵としてたたかう。その間に、妹から細やかないじめだったり嫌味を言われたり色々起こる。
妹は義母がいるが、かなり嫌っていて仲が悪い。父とは、実母と離婚したときから不仲。学校では友達はそんなに多くない。そのため、家にも学校にも自分の居場所がない。自分とは真逆の姉を羨むあまり嫉妬して、姉に毒を吐く。
嫌みばかり言ってきてムカつく妹だが、境遇の悪さ故に憎めず、可哀想な子。そんな子にしたい。

立海長編でキャラは未定。(多分、柳さんになるだろうな…)

愛と憎しみにより姉妹がたたかう、ドロドロな話が書きたくなって思いついた。もし書くなら衝撃的なラストにしたい。

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