幼いころから言われてきたサンタさんは赤い帽子を被って、白いひげをつけ、少しお腹が出てて、プレゼントの入った白い袋を持ち、トナカイに乗っている優しいおじいさんだと教わってきた。 現実ではそんな人存在しない。それは誰もが知っている。信じているのは純粋な子どもたちだけ。「良い子にしていればサンタさんからプレゼントをくれるよ。」と何度両親にこの台詞を言われただろう。私は少なからずプレゼントを貰えた純粋な子どもの一部だった。プレゼントを貰えた至福感は今でもつい昨日のことのように覚えている。 クリスマス使用の包装紙を無残に破り捨て、プレゼントの花であろうリボンは無造作に床に転がり落ち、それに気にすることもなくプレゼントの中身を舐めまわすようににまじまじと見てから盛大に喜んだものだった。 でもそれは幼いころの私の話。今では大人になるにつれサンタとかそういう夢を抱かなくなった。どこかで自分が少しずつ成長していく疎外感に浸ってはため息をつく。 そのため息を裏返す、というより私の気持ちを裏返すような事をしているのがサンタ服を身にまとっている同じ部活仲間の犬飼隆文という男だった。 「で、いつになったらこのチェーンを取る気になるんだ?」 私はいつも扉を開けるときはチェーンを付けながら扉を開く。 一応女子寮だけれど女子の人数が驚異的に少ないこの学園で無防備にはしてられない。 なのでチェーンを付けてから扉を開けるよう心がけている。日頃の行いのおかげで今こうして不審者と向き合うことができるのだ。 『変質者はお帰りください。』 冷静に真顔で返答をしてから扉を閉めようとする。が、それを手で阻止され失敗に終わる。 「変質者は失礼だろ。てか、今日はクリスマスだしおかしくないはずだ。」 まじまじと上下に犬飼くんを見る。結果。へんた… 「おい、変な目で変な事想像すんなよ。」 心を読まれて目を見開く。エスパー…? 『長話も外じゃ寒いでしょう?早く帰られてはいかが?』 「待て、今の流れは完璧部屋に入れる展開だったぞ。空気読め。」 お互いに折れる気配はなし。ただ世間のクリスマスマジックに掛かった犬飼くんの雰囲気はとてもキラキラという効果音がつきそうなものだった。このままじゃ私もクリスマスマジックに侵されかねない。変な汗を滲ませながら犬飼くんと睨めっこ。寒すぎていい加減足の感覚がなくなってきた。 『私一人でクリスマスパーティーしちゃったからもう寝るんだけど。』 そう言うと犬飼くんはふっと鼻で笑った。 「寂しい奴だなぁ〜。なんだったら今夜は一緒にいてや…」 『さようなら。』 油断した犬飼くんの隙をつき無理矢理扉を閉めて鍵を厳重にかけた。 外でぎゃーぎゃーと騒ぐ音が聞こえた。それを無視してテレビをつける。雑音には雑音を。私はソファに座りながらテレビを眺めた。 別にクリスマスが嫌いなわけじゃない。友人たちとクリスマスをバカ騒ぎするのが嫌いなわけじゃない。ただ、私は一人でいたかっただけ。それだけだった。もうサンタは信じられない。少し大人に近づくと世界との見方が違って見えてきて現実と向き合う結果になってしまう。私はまだ夢を見ていたい。 ふと外の雑音が止み、玄関に行って耳を澄ますと誰かいる気配はしなかった。諦めたか。ほっとしてため息をついた。テレビを消そうとリビングに行ってリモコンのスイッチを入れた。すると奇妙に静寂さが残って私は窓を開けた。 『寒い。』 はぁと白い息が夜空に一瞬だけ描かれる。まるでそれは天の川のように見えてもう一度息を吐いた。いい加減に止めようと窓を閉めようとした瞬間、上からサンタが私の部屋のベランダに飛び乗ってきた。私は驚きすぎて声が出ないまま床に座り込む。サンタはバランスを崩して私を押し倒しお互いに部屋に転がった。 「いってぇ…あ、おい、大丈夫か?蒼衣。」 初めて下の名前で呼ばれてドキンとか顔近い心臓の音ばれちゃうとかそういう美味しい展開に至る前にまずはそのサンタバカを殴ることを優先した。 『バカじゃないの?!死ぬ気なわけ?!』 私を見下ろす犬飼くんに怒鳴り睨む。どれだけ驚いたか、どれだけ痛かったか。そしてどれだけ、嬉しかったか。 『バカ!!バカ!!!!このバカ隆文!!』 途端に涙が出そうになって堪える。顔も多分既に赤いだろう。恥ずかしすぎて消えてなくなりたい。すると犬飼くんは頬を赤く染めて「いいいいきなり名前で呼ぶな!」と叫んだ。その反応に内心驚く、だってあのいつも余裕そうな犬飼くんが照れて顔を赤くしているんだもの。 『そっちだって名前で呼んだくせに!!!!』 それにまた顔が赤くなる犬飼くん、それにだんだんと恥ずかしくなって赤くなる私。 似たもの同士の行方はまた別のお話。 もうサンタは信じない 私は現実と向き合ってしまったから ------------ 主人公を二次元依存末期患者にしたかっただけです。(言い訳) 相変わらず文章になってません、すみません。 大遅刻☆クリスマス企画にきてくださり誠にありがとうございます。 皆様のおかげでこのサイトは成り立っております。 さて、前半の意味のわからない文章然り後半部分何やりたいのかわからない文章然り これは全て犬飼くんへの愛なのでs(((((ふざけ 主人公を一応二次元依存末期患者にしつつ厨二病患者&ツンデレにもしたかったわけでございます。 それを犬飼くんが阻止しに来て恋芽生えた☆的な。すみません。 私もよくわかりません(((おい ただ犬飼→主人公にしたかっただけです。でもこの文章的には一歩通行すれ違いですね。 犬飼くんは先に主人公好きになったけどちょくちょくその後々に主人公犬飼くんに落ちていく。 ていう小説読みたいです。誰か書いてませんk(ry とてつもなく意味不文章で読み辛い点が多々ありますが、少しでもお楽しみいただけたならば本望でございます。最後まで長々とお付き合いありがとうございます。 亀更新ですが、もうしばらくお付き合いしていただくとありがたいです。わがまますみません! 2013.01.05 |