港の潮風が頬を掠める。
現在の季節は冬。
個人的には好きだけど、少し寒いかな?
でも、この季節はたくさん美味しいものがある。
例えば、“あんまん”とか“あんまん”とか“あんまん”とか…。
とりあえず、あんまんって美味しいよね。と心の中で思った。
こんな事を思っていたらあんまんが食べたくなってしまった。


それにしても、桐也くん遅いなぁ…。


ココアでも買いに行こうと立ち上がったら、
後ろから誰かが腕を引っ張った。
バランスを崩して私はその人の腕の中にストンと落ちる。
びっくりして上を見上げると見慣れた顔だった。

「よう、早かったじゃん。」見てのとおり、桐也くんだった。
私は元の体制に戻り桐也くんを睨む。
『もう…、遅いよ!!どれだけ私が待ってたと… 』
それでも桐也くんは笑ってごめんと言う。
それから私に何かを差し出した。

「ほら、これやるから。少しは機嫌直せって」
中身を見るとあんまんだった。
私は心の叫びがばれないように『ま、まぁ、貰わないとね。もったいないしね。』と
あんまんをほおばる。

ふわふわの白い生地に熱々の甘いあんこがハーモニーを作って…
なんで私はこんなに幸せ者なんだろう。
にやにやしながらあんまんをほおばる。

それを見ていた桐也くんは呆れた顔で
「香穂子はあんまん、好きだなぁ。」とため息をしつつ頭を優しく撫でた。


『だって、美味しいんだもん。』
食べることに集中していたけど…
桐也くんのあんまんはあるのかな?

『ねぇ、桐也くん。』
「なに」
『私のあんまん、いる?』
あと一口で食べ終わりそうな食べかけを桐也くんに渡す。
「でも、香穂子あんまん好きなんだろ?食っちゃえよ。」
桐也くんはそう言いながらまた頭を撫でる。

『そう?』
「だってそれは香穂子の為に買ってきた物なんだからさ。俺が食ったら意味がない。でもその前に…」
『その前に?』

桐也くんは突然顔を近づけ私の頬にキスをする。

『き、桐也くん??』
突然の不意打ちに私は目を丸くする。

「あんこってこんなに甘いんだな。」と笑って勝ち誇った顔をする。

あぁ、ダメだよ。
そんな顔されると反則、
反則だよ桐也くん。
私の顔に火が灯る。

それを見ながら桐也くんは隣で眩しい笑顔をする。
恥ずかしくて、でも幸せで…





幸せを証明するなら






この一時が永遠に続きますように





おまけ


『今日はなんで遅かったの?』
そういえばと思い桐也くんに尋ねてみた。

「ちょっと調弦しててさ。」
『なるほど』
それならまだわかる。
事故とか巻き込まれてたら大惨事だもん。

「それよりどこ行くか決めた?」
そういえば行きたい所なんて考えてなかったと考えて今の気持ちを全部言った。

『桐也くんと一緒にいられる所ー』
「なんだよ、それ」
少し苦笑ぎみに言われる。

『良いでしょ??』
ダメなのかなぁ、としょんぼりしてると

「後悔しないなら良いけど…?」
まずい、スイッチが入ってしまった。

『や、やっぱりまだここにいたいです。』
咄嗟の判断に胸を撫で下ろす。
ここは無難に遊園地でもと思い考えていると
桐也くんはまた顔を近づけ今度は唇を奪われた。

もう、何回私の心臓を止めれば気が済むの?








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私の妄想の中の桐也くん。

こんなカップルいたらイライラします^^
でも大好きです。
こんな萌えない愛ですが、
最後まで読んで貰って私は幸せ者です・゚・(ノД`)・゚・
ありがとうございますm(__;)m
 


2011.02.08