ある日の昼下がり。
ラギはいつものように昼寝をしていた。
「………………」
しばらくして風が少し冷たくなってきたことに気づいた彼は起き上がって背中やズボンについた草や葉っぱを払い落とした。
「さて、夕食でも食ってくっかな」
食堂へと歩き始めた。
普段ならルーを迎えに行ったり待ち合わせしたりして一緒に行くのだが、ここしばらくはしていない。
なんでも試験やら課題があって、なんとしても次の日まで片づけないといけないらしい。
手伝おうとしても『大丈夫だから!』の一点ばりだ。
(…………ムチャしなきゃいいけどな)
ルーを心配をしつつ今日も夕食を平らげた。
次の日、なんとなく胸騒ぎがするラギはエルバート先生のもとへと行った。
しかし、寮監室は無人。
仕方なく戻ろうとした時、タイミングよくエルバート先生が入ってきた。
「あ、ラギくん。ちょうど良かった。実は……」
「なっ……。ルーが倒れた!?」
「……ええ。今朝渡り廊下で倒れているのをマシューくんが見つけたらしく、彼女を運んできてくれました」
「そ、それで、あいつはどこにいるんだ?」
「空き部屋にいますよ。疲労のようです。今日1日ゆっくり寝て休めば治りますから」
「…………分かった。あいつのそばにいてもいいか?」
「そうして下さい。その方がルーさんも喜ぶと思います」
「…………ああ」
そう言うとラギは寮監室から出てルーがいる空き部屋へと走った。
空き部屋に入るとルーがベットのうえで寝ていた。
「…………ルー」
ラギはベットのそばに置いてあるイスに座る。
「バーカ。なんで倒れるまで頑張ってんだよ。試験とか課題が大事なのは分かるけどな。お前の身体の方が大事決まってんだろ」
話しかけた相手は深く眠っている。
「………冷たいな」
ルーの手を握ると石のように冷たくなっていた。
「全力で頑張るのはお前のいいところだけど、見てるこっちはハラハラするんだ。もう少しオレを頼れよ」
せき止めていた思いが零れる。
「なんだ?」
「……そばにいて?」
「なっ……。あ、当たり前にいるに決まってんだろ」
ラギの顔が赤くなったを見てクスリと笑う。
「………他に何かあるのかよ。オレにしてほしいこと」
「えっ…。いいの?」
「あ、ああ。出来る範囲だけどな」
「じゃあ、キスしてほしい」
「な、ななに言ってんだ!?バカルー」
「ちょっとだけでいいから」
「………か、考えとく」
「……ラギのケチ」
「も、もう寝ろ!体が悪いときは早く寝た方がいいってじっちゃも言ってたしな!」
「…………ん。おやすみなさいラギ」
「ああ」
ルーはすやすやと寝息を立てて寝てしまった。
「ずっとってのはまだ言えねぇけど、出来る限りお前のそばにいる」
「だから、あんまり無理するなよ。今回みたく何度も倒れられたらオレの身がもたねぇ」
「オレの隣で笑っててくれ。ルー。………好きだ」
ラギはルーの額と頬にキスをした。触れるだけの優しいキス。
「……っ!////」
自分のした行動が恥ずかしくてたまらなくなった彼は顔をベットに押しつけ、そのまま寝てしまった。
「ラギのバカ…」
彼女が狸寝入りしていたことは誰も知らなかった。
小さなご褒美
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*相互文
カラフルメロディー(ララ様)
相互文で書いてくださりました!!
ラギイケメンですね!!!!!!!!!!!興奮しすぎて鼻血がでました。はい。
素敵文ありがとうございました!!!ごちそうさまです!!
これからもよろしくお願いします!