『………。』

図書室の隅っこの窓側は温かい日の光が差し込み昼寝をするには快適な所だった。
だけれど今はそんなことをしている場合じゃない!
期末テストの前日、私と隆文くんは図書室で勉強をしていた。…はずなのだけれど

「すー……。」

余裕ですね。隆文くん、それは勝ち組の居眠りとして取っておいて良いのかしら?

はぁ。とため息をついてから教科書と睨めっこ。うーん、いまいちわからない。
明日は絶対に落とせない教科なのに…!
この一問だけが…わからない
ふと隣で伏せて眠っている隆文くんを見る。

『隆文くーん?』

つんつんとシャーペンで隆文くんを突いた。それでも起きる事はない。
まぁ、確かに起きるはずはないよね…だってここで起きたら隆文くんじゃないし。
自分でもよくわからない理屈をつけてから次のページをめくって次の問題を見た。
あ、これなら分かる。

乙女座の一等星スピカ、確か別名は夫婦星とも呼ばれているんだっけ、あとは連星とも呼ばれてて、本当は二つの星でもの凄い速さでお互いの間を回転してるんだよね。

スピカ…夫婦星…。

ふと窓の外を見る、いつの間にか外はオレンジ色の光が空いっぱいで気づけばもう夕方だった。

今の季節は春、夜になれば乙女座が見れるかもしれない。期末前だけれど、本物を見ることで勉強にもなるし何よりその方が楽しいし!うん、今夜は天体観測をしよう。
楽しみで心が弾む。
あ、そういえばこの季節だと北斗七星も出てるなぁ…少し本でも探してこよ…

「なーにニヤニヤしてんだぁ…?」

その声に肩がびくっと震える。ハッとして目の前を見るとまだ眠たそうに欠伸をしながら隆文くんがこちらを見ていた。

『え、あ、えっと…今日の夕飯なんだろー?って思ってて…』

「ほー。」と隆文くんは呆れたような何というかわざとらしく言った。ばれたら絶対怒る…!

「蒼衣。」

『へ?』

ぎゅっと手を捕まれた。
すると隆文くんはむくりと起き上がって気がつけば一気に至近距離になってしまった。

『た、た…かふみ、くん?』

顔が熱くなる、こんな至近距離じゃ逃げられない…。

『…ひ、人…きちゃうよ』

ああ、これは何かの少女漫画で見たことがある気がする。まずい…!

「蒼衣…」

目を逸らしたけれど両腕を捕まれて身動きが取れない。
息と息が触れ合いそうな距離まで迫り私は思わずぎゅっと目を閉じてしまった。

「勉強しろ。」

そう耳で囁かれ、冷や汗がじわりと額に浮かんだ。






















待ったなし。




なんでバレたのかな?




(天体観測したいー…)
(だーめーだ。ちゃんと勉強しろよ。)
(うー、そういう隆文くんは?)
(俺は良いんだよ。)
(そうやって逃げてるんじゃないの?)
(俺はお前と違ってここが違うんだよ。)
(もう…!それ私が馬鹿って言いたいの?)
(ああ。)
(何それ酷い!)
(はは、んな怒んなって軽い冗談だ。)
(そんなこと言って許してあげないんだから…)
(可愛い顔が台なしだぞー?)
(いいもん、どうせ元から可愛いくないし)
(…ったく、蒼衣こっち向け)
(んー?…っ!?)
(………、顔真っ赤。)

点数悪かったら隆文くんのせいにしてやるんだから…



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やっと10000打の犬飼くんが書けたー(゚∀゚)
お待たせしました!なんだか、犬飼くんが迷子で…申し訳ないです。久しぶりのせいにするのも言い訳だし、ちょっとスランプ中です、はい。
すいません、こんな駄文読んで頂いてありがとうございます。
感謝感謝です!

10000打になれた事は皆様のお陰です!ありがとうございます!これからもちゃんと更新し続けて行くのでよろしくお願いします。
本当にありがとうございました!!



2012.06.14