「………。」

書斎を出てため息をついた。
何故だか今日は本も読む気になれない。
いつでも本を読んだり薬の調合をしたりする…が、今日はやる気が起きなかった。…退屈だな。

ちょうどその時見覚えのある後ろ姿が視界に入った。

「おい、イチゴ頭。そこで何してんだ?暇なら俺に付き合え。」

『え?あ、アッシュ…ごめんなさい、これからマンマの所にいかないといけないの。』

そう言って急ぎ足でフェリチータは去っていった。
途端にちくりと胸の奥が痛くなった。何だかわかんねぇが、気に食わねぇ。
胸の真ん中にぽっかりと穴が空いたような奇妙な疎外感。一体何だってこんな気持ちになってんだ。
気分が悪くなってポケットからリンゴを取り出して噛じってその場に座り込んだ。



さっきのアッシュ…悪いことしちゃったな。
珍しくしょんぼりとした猫のような目をしていたから。でもどうしたんだろう、いつもなら書斎やルカの実験室に籠っているのに。
首を傾げながらマンマの部屋に入って頼まれた物を渡す。

「ありがとう、お疲れ様。あ、そうだわ。お礼にこのビスコッティをあげる。」

そう言ってマンマは可愛くラッピングされたビスコッティが入っている袋を私に渡した。中からは焼き菓子の香りが鼻をくすぐる。

『ありがとう、マンマ。』

ニッコリ微笑むと「二人で食べてね。」とマンマは言った。ふた、り…??

『なんで二人なの?』

疑問符を浮かべながら問うと笑って誤魔化されてしまった。
私は部屋を出て扉を閉めた時ふと目の前にアッシュが床に座り込んで眠っていた。

『ア、アッシュ!?何をしてるの?』

アッシュに近づきポンポンと肩を叩いて起こす。
すると目を薄く開いてから眠そうに私を見た。

『アッシュ?』

「……。」

じっと見てくるアッシュに首を傾げる。何だろう、…あ、もしかして

『ビスコッティ食べたいの?』

先程もらった袋を見せるとアッシュは未だに寝ぼけ眼で、ふと顔を伏せた。気分でも悪いのかと顔を覗き込む、といきなり唇を塞がれた。

『!!!』

どんなに振りほどこうとしても手は捕まれて思うように体が動かない。あぁ…この状況はまずい。けれど甘い誘惑には負けてしまう。
ふと唇を解放されぎゅっと抱き締められる。

『アッシュ…苦しいよ。』

「…っるせぇ……良いから、俺に付き合え。」

もしかして…これは。

『甘えたいの?』

「ちげぇよ。ただ、退屈なだけだ。」














甘えたい言い訳






変な所で我慢して、素直になってよ。




(所でだ、そのビスコッティ俺にくれるんだろ。)
(だめ。)
(何でだよ。良いじゃねぇか、少しくらいくれよ。)
(アッシュ意地悪だから…)
(はぁ?俺がいつお前に意地悪したんだよ。)
(…さっきの寝てなかったでしょ。)
(あぁ、寝てなかった。だからなんだ。)
(〜…バカ、アッシュなんて知らない!)
(あ、おい!逃げんな!!)




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*相互記念

AL:ive×at!柏原rk様へ

前半のアッシュくん視点の無意味さ…。
すみません、なんか構ってほしいよ!なんて可愛いげのあるものではありませんね…orz
ただの欲求不満な人だよ!!!;;
あぁ…私が文章力のないだけに、アッシュが変態へと…。
申し訳ないです。ちゃんとリクエスト通りになれたでしょうか?なってなかったり気に入らなかったりしたら本当に申し訳ありません。土下座させていただきますm(_ _;)m

相互ありがとうございました!これからも末永くお付き合いしてくださいませ。本当にありがとうございました!!!



2012.10.24