「月子ー…俺は眠いんだが…。んー。」

『まぁまぁ、いいじゃない。少しだけでいいから付き合ってよ。』


ぐいぐいと俺の手を引っ張って人が来なさそうな場所へ連れて行く。
月子の方を見れば無邪気に笑いながら鼻歌交じりに強引に引っ張る。
くそ、こうも無防備に手を捕まれると離せるものも離せねぇ…。
今だけは俺の下心を恨むとしよう。

「まだかー?早くしろよ…眠ぃ…」

『はいはいー、あ、ここですよー。』

「ん?」

目の焦点を合わせつつ正面を見れば何もない暗闇。

「…、月子。俺をからかってるのか?」

『え?ううん、全然。』

「じゃぁ、何しにここに来たんだ?要件を述べろ、要件を」

『??ただ、隆文君と線香花火したいなって思っただけだよ。』

「…花火?」

『うん、花火。』

「で、花火は?」

『あ…。』

「はぁ…。」

ここんとこ毎日部活だったりしたからな、街に行くことなんて第一不可能だ。
花火なんて購入する暇なんて俺たちには、はっきり言えばない。
念願のインターハイ優勝の為に今ここで頑張らなくていつ頑張るんだ?と言うような日々。
なんせ目標が目標だからな。
それからしゅんとなっている月子をぽんぽんと優しくなでる。

「…ったく、もう少し落ち着いてきた時に買いに行こうな。」

『さ、最近…』

「ん?」

『最近、隆文君…元気なかった気がして』

「は?俺が?」

『疲れてるんじゃないかって…ちょっと気になり始めてたの。』

「……。」

確かに最近の傾向からして俺は少しだけ疲れてた、気がする。
それをこいつに気が付かれたとか…カッコ悪ぃな…。
急激に恥ずかしくなって照れ隠しの代わりにこいつの額にデコピンを食らわす。

『痛っ…』

ぎゅっ

『た、隆文君…?』

「まぁ、…心配してくれて…サンキュー…でし、た。」

















ありがとう。とその一言伝えるだけで








恥ずかしいもんだな…。







「線香花火、本当にお前好きだよな。」

『うん、だって可愛いんだもん。』

「ったく、だもん。じゃねぇよ…あんま他の男共にそんな顔するんあじゃねーぞ。」

『?どうして?』

「あー、はいはい、お前はそんな事通じる奴じゃねーよな。俺が悪かった。」

『???』

「いつかは自覚しろよ?」







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なんだかよくわかんないんだz\(^q^)/
線香花火をただ一緒にやりたかっただけなんだけどなぁ…
まさかのこの展開www打ってる自分も予想外(((
最近犬飼君打ってなかったからなぁ、ごめんなさい。
別人すぎて悪いです。
読んでくれてありがとうございました。



2011.07.01