※犬飼君、主人公に片思い


『いぬかいく〜ん……。』

「どーした?」


半ベソを少しかきながらギュっと俺のシャツの裾を掴む夜久。
こいつはもうちょっと自分が女って事を意識してほしい。


『勉強…教えて……。』

「は?」

確かに今考えれば明後日からはテストに入る。
今更じゃないか?と少々思うがそこはあえて触れないことにしよう。


「まぁ、めんどくせーけどここはこの犬飼様が教えてやろう。」

『なにそれー』

「そんなこというなら教えてやんねーぞ?」

『!!そ、それはダメ!本当今回はまずいから。』


そう言ってしがみついて俺を止めようと必死にシャツを掴んできた。
やめてくれ、俺の負けだ。

「わーった、わーった。じゃ、俺の部屋で勉強すっかー。」とあくびをしながら廊下を渡る。
その隣でやったーとはしゃぐ夜久。
転ぶぞ?

何事もなく部屋につき、机を前に座って「で?」と夜久を見る。

『なにが?』

おいおい、目的忘れてどーすんだ。
俺の貴重な昼寝タイムが…


「何がわかんねーんだ?」


『あぁ!』とポンと手を打ってそれから鞄の中を漁り何冊か教科書とノートを出した。


『これなんだけど…』

「んー、どれどれ、あぁこれか。」


いいか?と目で言いそれから夜久の持ってきたノートにカリカリ書きながら丁寧に教えていく。
俺は勉強とか得意でもないが、基本的な事はわかるから別に問題はない。
できるっちゃできるし、できないっちゃあできない。
だから、まぁ普通なポジションにいるわけだ。


『うーんと、これにiをいれるの?』

「あぁ、これでαを入れれば解けるだろ。」

『本当だ!凄い!解けたー』

やったと言って喜ぶ夜久。
じっとその光景を見つめる俺。
こいつの笑顔は時に俺の心を揺さぶる。
この気持ちに名前がついたらきっと俺はこいつに全部をぶちまけてしまうんだろう。
だから、今は友人という関係にいよう。
いずれその時が来たら全部伝えよう。

『犬飼くん、今日はありがとう。』

「おーおー、良かったな。またいつでも聞きにこい。まぁ、できる範囲なら教えてやる。」

そういってぽんぽんと頭を撫でる。
するとそれに反応して夜久は顔を赤く染めて黙りはじめた。


「おいおい、顔真っ赤だぞー。タコみたいだな。ははっ」

『い、犬飼くんのせい!!』

ぷいっとそっぽを向く夜久。
その隣で笑う俺。
今だけは、ここで幸せな時間を過ごしていよう。












芽生えはじめたなにか






いつかその日がくるまで








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いや、私がテスト明後日なんで打ってみただけなんですよね。
それにニコ動にいる時点で私のテストが終わったと思いますがね。
しかも、なにやってんだよ!!と自分に渇を入れてみたりー…
はい、すいません。とりあえずガチでやばいんでそろそろ数学をやらなくては(-"-;)
真面目に打たなくてごめんなさい!!
脱字があった場合はテスト終わって落ち着いてきた時に訂正するんでしばしばお待ちをしてくだされ!!(>人<;)



2011.06.12