「失礼しました。」

そう陽日先生に告げ、職員室を出る。
部活が終わった後も最後まで残り自主練をしていた。
インターハイに勝ってからというものの練習はハードのまま
宮地くんは恐いからなーと眉間のシワを思い浮かべる。


外に出て空を見上げると
星がたくさんキラキラと輝いていた。

『うわぁ…。』

いつも見ている風景なのに声に出してしまう癖は直らない。


夜空を見上げながら歩いていると石につまずき倒れそうになった瞬間ぐいっと私の腕を誰かが引っ張ってくれた。

「あっぶねーな、ちゃんと前見て歩けよ。」

驚いて振り向くとそこには犬飼くんが立っていた。

『あれ犬飼くん…?まだ帰ってなかったの?』

「当たり前だろ、俺だって一応お前の彼氏だしー?夜道に女一人じゃさすがに危険すぎるだろ。」

そういうと頭を優しく撫でてくれる。
そんな事を言われたら私は顔が赤くなった。

『あ、ありがとう。』

赤くなった顔を見せないためにわざとらしくそっぽを向いた。

「なんだか今日はやけに素直だなぁ…なんかあったかー?」と犬飼くんはニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべ私の目の前を立とうとする。

『べ、別になんでもない!!
あー、そういえばー今日宿題に出された神話のレポートがあるんだけど…
その神話科の犬飼くんに手伝って貰える事はできないでしょうか……?』

ちょっとわかりやすい話のそらし方だったかな?ちょっと不安になりながらもちらっと犬飼くんを見る。
犬飼くんは少し呆れた顔をしてから「良いぞー。俺も課題があるしな。」と答えてくれた。

『本当?じゃ、早く行こうよ!!』

私達は急いで屋上庭園に向かった。


屋上の扉を開けるとこれでもかと言わんばかりに星が煌めいていた。

『うわぁ…きれい。』

また声を出してしまった。
なぜか声が出てしまう。
部活で何も言わないように意識をしてるけど、声が出ていつも宮地くんや部長に注意されてしまう。
でも犬飼くんは「それだけ素直なんだろ?」とにっこりと笑って言っていた。
犬飼くんはたまにストレートに言うから心臓がいくつあってもたりないよ…。


「つーか、お前いつまで星見てるつもりなんだよ…。」

「あっ…」と一言漏らし笑って誤魔化す。

「まぁ、星が好きなのは分かるけどよ。」

少し星について語ってから何分か集中した後。
腕が止まった。

「ん?どしたー?」

犬飼くんが私のレポートを奪い取り問題に目を通す。

「あぁ、アンドロメダか。お前あの有名な話しを知らないのか?」

『…、そんな、まさか。』

また笑って誤魔化した。図星だった、アンドロメダの授業は途中で意識がなくなったんだよね。そんなこと言ったらバカにされそうだなぁ…。
犬飼くんはため息をついてから

「よーしならば俺が教えてやろう。」

なんて俺様発言、まぁ…正直言って助かります。
それから犬飼くんは得意げに説明し始めた。

「良いか?アンドロメダは、エチオピア王ケフェウスとカシオペアの娘で………」

犬飼くんはアンドロメダの話を話していく。
私はそれを聞いていて
犬飼くんもちゃんと勉強してるんだなぁ…と少しだけ見直した。
いつも私をからかったり、三人でバカやったり。でも、その分優しくて、面白くて、意外と真面目で、カッコよくて、いつも助けてくれたり、面倒見が良くて…


「で、アンドロメダはペルセウスと結婚して幸せに暮らしたんだ。どうだわかったか?…って夜久…ちゃんと聞いてたかー?」


『あ…』と我に返る。
つい犬飼くんの事を考えすぎて聞き逃してしまった。


「おいおい。俺の完璧かつ美声で説明してやってやったのに、お前の事だから何か考えてたんだろー何考えてたんだよー」

口なんか歪ませて、なんて悪役顔なのよ。でもこれは言ったら言ったでからかわれそう…。

『ご、ごめんね。な、なんでもないよ?』

とりあえず隠しとくのがベスト…よね?

「そうか?ならいいけどよ、つか、夜久少し顔が赤くないか?」と犬飼くんは
自分のおでこを私のおでこに当てる。

『…っ。』

すぐに私の顔が赤くなり、胸の鼓動が速くなる。
ち、近い、それに…あと少しで唇が触れるか触れないかの距離。
これで恥ずかしくないわけがない。
それに気づいた犬飼くんは口元を歪ませ、触れるだけのキスを私の唇にする。


『…っ。い、犬飼くん???』
すると犬飼くんは抱きしめてきた。

私は恥ずかしくて耳まで赤くなってしまった。
鼓動が聞こえないかと心配で意識すればするほど鼓動が速くなる。
それから犬飼くんは私を解放してから

「わりーな、つい奪っちまった。」とすくっと立ち上がり「今日はもう遅いし帰るぞー。」と一人帰る支度をし、すたすたと扉の前に行ってしまう。


私は硬直状態のままぼーっと意識が飛んでいた。

「どうしたー?またされてーのか?」

あんな恥ずかしい思いは御免だと私は急いで駆け寄った。









意地悪で甘い誘惑






どこまで私を夢中にさせれば気が済むのよ。
星はきらめき、鼓動は速くなって、私も犬飼くんの唇を奪ってしまった。







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ラブラブすぎて逆に誰…
何がしたいのかわかんない!!!!
てか、調子にのらない時は多分文章打てないね。
これ書くのに4日はかかった。
残念\(^o^)/
てか、長いし犬飼くんじゃないですね。
すいません。
頑張ってもう一度勉強してきます。
こんな駄文読んでくださりありがとうございましたm(__;)m


2010.11.28