聖フェリチタスはただ願う




美しい、南イタリアの海を臨む都市マテール。
添付された写真にはどこか見覚えのある様式の建物がずらりと並んでいる。二年前、ユウと別れたリッチェの街に似ている気がしなくも無い。なんでたかが二年前のことがあやふやかってそりゃー、ほら私の記憶って圧縮して解凍してっからさ。画質荒いんだよね。別にいいんだけどね。
ああでも、全体的に画が暗いからそれが原因だろうか。二年前の青い海の融ける空、その境界を埋める濃い緑が連想されないから。だからよく思い出せないのかも。そもそも、たかが三人分の記憶で脳は圧迫されまい。しかもそのうちの二人は10年そこそこのキャリアしかないわけだし。
うーん、でも基盤が私の脳みそだしなあ。発達不足だから一般論で展開するのは無謀かも。ううむ。
「脳ってどこまで詰め込めるのかしらぁん」
「は?……ノエル、なんでもいいですけど寄りかかるのやめてもらえますか」
だって眠いんですもの、生理現象では仕方がありませんわよ。ぐぅ。私は寝た。





走行中の列車に飛び乗り、強制的に一室用意させる。
そして本来ならそのコンパートメントで優雅なひと時を楽しんでいただろう夫婦が追い出されるのを横目に見ながら、ふかふかの椅子に腰を下ろした。金持ちなんて滅べばいい!クロスさまと一年ほどご一緒してらしたらこの気持ちがわかるはずですわ。あの方はきっと本来愛情深い……いえ、真相はともかくいっそそう思わなければ私もアレンも正直「チキショーやってらんねー」というお話でして、ああ話が逸れたわね。ええ、クロスさまはきっと本当は多分きっともしかしたら善い人なのかもしれないんですけれど、こと金銭等等に関わると人が変わりますのよね。自分は方々の女たちを適当にあしらっていれば食いっぱぐれないんですけれど、私たちはそうではありませんもの。どんなに心の広い愛人でも、コブ付きだなんて知れたら御仕舞ですし。だからクロスさまが愛人と過ごすとき、私たちは自分で生活する術を身につける必要があった。詳細に関してはいずれ実演いたしますわ、待っていて。
「マテール……リッチェに近いわね」
「……うるせえ死ね」
「何も言って無いじゃないの」
「視線がうるせえこっち見んな」
あらま、嫌がられちゃった。
正面に座ったユウがため息と共に悪態を吐く。ああんもう可愛くてどうにかなっちゃいそう。ごめんなさい、どうにかなっちゃうってのは嘘ですわ。ええ、さすがにそこまでキてないわァ。まだね。まだほらヤングでピチピチだから。体は。
「つーかお前探索部隊だろ、立ってろ外で」
「いーやーでーす。あたしはネオ・探索部隊だもの。トマとは一味違うわ」
「……」
そもそも探索部隊のコートを着ていないところを見てもそれが知れるだろうフハハ。いやあ拒否ってみるもんだ。つーか必要ないしね。
なんだかんだ、私はひとりでアクマと対戦することもできますからねー。最近はしてないが。それを思い出してか、言いたいことを理解してしまったらしい彼は僅かに血の気の下がった、いらついた顔だけをこっちに向けて、もう会話する気も起きないもよう。そんなところまで可愛いっちゅーに。
ぱらりぱらりと資料を捲る。ふむふむー、マテールの亡霊……ね。
あらん?こんな話、昔聞いたことなかったかしらん?
「ねえ、ユウたん……これって……」
「……リッチェの街で、聞いたことがあったな」
南イタリアの、古い民話だ。……古いといっても、たくさんの人間が知っているからおそらくそうだろうとアタリをつけただけで、実際どの程度昔からある話かは存じ上げませんわ。
「マテールの亡霊に連れて行かれちゃうぞー、って母親が子供を脅かしているのをよく見たわね。あの話が実はイノセンスと関係があったなんて」
「亡霊……でも、これ……」
一足早く次のページを捲ったアレンが隣で息を呑む。後を追うように私もページを捲り、きょとんと目を丸くする羽目になった。
「亡霊じゃない……人形……?」
あるものといえば乾燥した地面、岩、海。穀物のまるで育たない偶然に重なった劣悪な環境。今なら交易という手があるが、いや今でも船を用いて輸送するのはかなり厳しいものがあるだろうけど、それでもこの資料にある当時は。固すぎる地面では陸路も容易な道ではなく、マテールは遂に『神に見離された地』とまで呼ばれていた。
「娯楽も手に入らない、気ばっかり滅入るところというわけね……」
そりゃ哀れですこと。哀れって、あんまり意味解ってないけど。使いどころは正解かしら?採点して返してくれると有難いわ。
「イノセンスを使って人形を作るだなんて……ステキだわー。欲しいなーイイナー」
「未だにノエルが何言ってるかよくわかんないんですけど……おかしいなもう5,6年の付き合いになるはずでは……」
「ミステリアスが売りだからねー」
「ウワァー今のはもっと理解できませんでした」
冷たい眼差しが氷のように刺さるけど、まあ気にしない気にしないイツモノコートネー。
しかし、五百年も動き続ける人形か。いくらイノセンスだって言っても、そう長く……いやどうだろ、イノセンスって衰えるの?衰退あるいは故障がもしあるとしたら、
「がんばれば寿命ってのもやってくるのかな」
そう、たとえば私も。愚かな問答だから、誰にも問えないけれど。
ぽそりと呟く言葉には誰も答えず、ぱらぱらとページを捲り続け、冒頭に戻る。結局アレンの膝枕でじっくり睡眠、最低二人分を。ほら、昨日はあんまり寝れなかったし。ね。







マテールに着いた、チャラララッチャチャー。
なんかさっさと走っていきやがったエクソシストダブルスwithトマを見送り、私はうろうろと遺跡を歩いていた。置いてけぼり。一人ぼっち。ぼっち。ブーツがなにやら紋様のついた石を蹴り飛ばした。幾何学的、うーん歴史の香り。ちなみに歴史ってどういうこと?年表?それとも人間の生ける様かしら。哲学したくなるお年頃、ちなみに哲学ってどういうこと?
「無限ループって怖くね?」という声がどこからか聞こえる気配がしたのでそれについてはさて置いて、とりあえずカツカツ、ヒールで地面を叩いた。腰のバックルに差し込んだ装飾ナイフが、金具に当たって音が響く。特に感慨もなく、その美しいナイフを引き抜いて、そっと掌に押し当てた。
「風が……気持ちいいわね……」
少しだけ生暖かくて。
遺品のナイフを真っ直ぐ横に引く。赤い線が鮮やかに、ギザギザに裂けながら描かれる。この瞬間がダイスキだ。赤くてあでやかで、とても綺麗で。この赤は、切り裂いたばかりの赤は、誰のものでもとてもよく似ている。どこかほっとすると同時に、香辛料の利かせ過ぎた料理のようにピリリと舌の根を刺激する匂い。ずるりと這う舌が、咥内で震えた。
では、そろそろ行きましょうか。私はそっと空気に融ける。
ここはとても強い、死と殺気が漂っている。どうせもう誰も生き残っていない。急ぐ必要は、あるまい。アレンくんも、この辺うろついている程度のアクマに負けやしないだろうし。ユウたんに関しては、言うに及ばず。
「それにしても……こんなに近いのにね」
中央庁の目と鼻の先ではないか。これなら、お抱えの鴉でもさっさと寄越してくれればいいものを。
ふふ、無理ね。あいつらは殺すのが仕事であって、守るには爪が鋭利すぎる。そんなところもとてもステキで困ってしまうけど。いつか、そうねいつか……ハラワタを引きずり出して……転がして……石の床を引っかく様を眺めるの……きっととても楽しいですわね、うふふふうっふふふふっふふっふふふふふ……。


ヘレネ、駄目だよ。


「うふふふっふふふうふふふふふふっ、あはっふふふ……」
聞こえた声がどっちのものかなんて、誰にもわからなくっていい。そう、私たちにさえ。
けれどこのままでは、霧散する私はローマに方向を転換してしまうので。
「ごふっ」
霧化を解きつつ、携えたままのナイフを振り上げる。目指すは乙女の柔肌、腹部。中身を抉り出す痛みに悶絶してみる。地面にずしゃりと転がった。
なーにやってんだか。滑稽にもほどがあるっつーの。
「あはん……10代ゆえの……自傷行為よぉ……」
そうよ中二病よ悪い?内臓がでろでろしてるのを腹に押し戻しながらここに居ない誰かに言い訳する。いやホント、誰に言い訳してんだろう。うーん、ヘレネにかな。
さてさて、ローマのことはもう放っておいて。傷口をぴしりと元に戻し、もう一回だ。もう一度適当なところを切り裂いて霧に戻る。アレンくんのとこ行こっと。
暖かいながらも温度の感じられない色彩の、無人の街を一人で飛ぶ。リッチェと同じで、潮の匂いが強い。あの日のことを緩やかに思い出す。ユウのサポートで来ていた私は、アクマの前に飛び出したのだ。あのときはほんと、崖下でどうしたもんかと思ったもんだ。動けないし。体中の骨が魚の小骨が口の中を刺すみたいに外に向いていて、治すのに大層時間がかかった。それでも一月もかからない程度だったはずが、一週間かけてようやく骨を内側にしまった頃、近くの街の神父に拾われてしまい。お陰で短時間で治すわけにもいかなくなり、ようやっと完治したころには半年が経ってしまっていた。ささいな親切大きなお世話ってな。食事は大変おいしくいただきましたとも。
ふと。ぶわ、と神経を逆撫でする気配を感じて、飛ぶのをやめた。体を高い塔の上に下ろし、霧化を解く。
アクマが近くに居るのだ。殺気が血を凍らせる。どーこかなー、と視線をめぐらせたら、視界の端で黒いものが動いた。
あ、ユウたんだ。……なんか両脇に抱えてるな……ん……?イノセンスか。じゃあ人形だな、うん。
「……いや、あれは」
人形だけどそれ以上に……女だ。女抱えてるぞユウたんが。私のユウが!女抱えてるんですけどッ!?ちょっと待てゴルァ!!
追いかけようと思った拍子に、遥か下方で建物が崩れる音がした。じっと見てみれば、白髪の少年が一人。やだー、アレンくん一人で戦ってるー。がんばりやさんねー。加勢してあげてもいいんだけど、戦うわけにはいかないしなー。クロスさまの命令は絶対なのだばばーん。
そんなわけで欲求優先。ユウたんを追うぜシャキーン。とうっ、と私は塔から飛び降りた。だ、駄洒落ちゃう!
地面に降り立った瞬間、胸元に隠しておいたゴーレムが拍子に飛び出してしまう。やべっこいつ発光するんだった。反射的に掴んで、今度は腰のポーチに叩き込む。クロスさまに作ってもらった、私と一緒に粒子サイズまで砕けて一緒に飛べる特注ちゃんだが、粒子を繋ぎとめるために使っている特殊な電流の関係で常に光を放っている。のでとってもうざい。私もなー普通のゴーレムちゃんがよかったなー。あれ可愛いよね蝙蝠みたいで。ティムは肥大化するからイラネ。可愛いけどイラネ。
「ビブリ、黙っててね」
ナイフで腕に赤い線を刻み、また霧と化す。もうこの報告飽きてきましたわ。さっさと飛べよ、私。あい、了解しましたッ!
ユウを追って飛び、追いついた。彼が建物を降りたのを追って、私も地面に向かう。と、ゴーレムからトマの声がした。
「……あ、今アクマだけ屋内から出てきました、ゴーレムを追っています」
「わかった。今俺のゴーレムを案内役で行かせるから、ティムだけ連れてこっちに来い」
「ティムはあれで意外と逃げ足遅いからなーだいじょぶかなー捕まっちゃうとおもうなー?」
「……」
「ねえねえユウたん、おなか空かない?早く任務片付けてご飯食べたいね!ピッツァピッツァ!」
「……何で居るんだ、オイ」
人形と人間を地面に置いて、ユウは呆れ30パーセント驚き30パーセント嫌悪40パーセントの顔でこちらを見た。ちなみに嫌悪の配分は通常運転ですからお気になさらず。
「何で居るんだって、ひどーい一緒に汽車に乗ったじゃなーい!」
「その話じゃねえよ!!さっき置いてきたはずなのに何で追いついてんだって聞いてんだよ!!」
「チ ャ リ で き た」
「……」
「まーまー、そんなことどうでもいいじゃあん。あれ、地下に行くの?」
ユウが此処でわざわざ降り立ったのは、どうやら地下に抜けるためらしかった。入り口が見える。と、人形と目があった。綺麗な目をしている。羨ましい。
「人形はゲット、だね。あとはあいつを撃破して任務かんりょーか」
「ああ。……おい、道は知ってるんだろうな」
ユウが話しかけると、男が顔を上げて「知っている」と答えた。ひどく皺枯れた、年老いた声である。どうやらもう相当な歳らしい。
「私はここに五百年いる。知らぬ道などない」
そう言って、目深に被ったフードを払いのけると、そこには。
「キャッ……」
反射的に悲鳴を上げた私を、ユウが咎めるような目で見る。だ、だって怖いんだもん仕方ないじゃない。
「くく……醜いだろう……」
「お前が人形か?話せるとはな」
「そう……お前たちは私の心臓を奪いに来たのだろう……」
……?んん……?え?こっちも人形なの?んう?
「できれば今すぐ心臓をもらいたい。でかい人形のまま運ぶのは手間だ」
ユウがそう告げると、傍らの美しい人形がどきりとした顔でこちらを見た。そうだよね、死ぬときは覚悟がしたいよね。わかるわかる。彼女(人形をこう呼んでいいかは知らない)はその恐怖人形の前に立ちはだかった。
「ち、地下の道はグゾルしか知らないの!グゾルが居なかったら、迷っちゃうよ!」
「お前は何なんだ」
ユウが彼女に問うと、彼女はどう答えたものかと「わ、わたしは……グゾルの……」と口ごもる。後ろの人形グゾルが代わりにむせながらも声を張った。
「人間に捨てられていた子供だ!ごほっ……、私が拾ったから、傍に……置いていた……!」
ゴホゴホ、と、今にも死んでしまいそうな声でグゾルは痙攣した。人間だったら、相当に死期が近いと推察される咳だ。人形がこんな咳をするもんなんだろうか。ううむ?
ふと、ぞわりと。また血を凍らせる気配が。と思ったら、眼下でそいつが顔を出す。
「神田殿」
「トマか」
え、あ?あれ、アクマの気配がするのに、トマ?んん?アクマの気配って移るっけか?んん?わかんないしいーや。保留。
ユウが人形たちの前に膝を着く。
「悪いがこちらも引き下がれん、あのアクマにイノセンスを奪われるわけにはいかないんだ。今はいいが、最後にはもらうぞ」
そしてダメ押しの「巻き込んですまない」。ユウのこういうとこスッゴク可愛いと思わない?これ本人自覚無いんだぜ。
「神田殿、ティムキャンピーです」
階段を登ってきたトマが両手で大量の石の破片のようなものを差し出す。ティムもなーここまでは粉々になれるんだけどなー、そのまま飛べないからなあ。やっぱり私にはビブリちゃんが一番ですよ、はい。可愛くないけどな!先ほどから腰のポーチで暴れまわっている。自由に空を飛べないのがどうやらご不満らしい。そんなに簡単に要望が通ると思ったら大間違いだぜ、お前には一度じっくり世間の厳しさってヤツを叩き込む必要があるわねェ。
ティムは静かに復活すると、綺麗な歯(アレンがたまに磨いている)を見せ付けるように口を大きく開いた。
「お前の見たアクマの情報を見せてくれ」
それに返事こそ返さないものの、ティムはその大きな口を上に向け、映像を映し出した。
まるでピエロのようなそれは、なんともむかつくしたり顔をしている。そして、アレンくんを攻撃しだした。キャーアレンくんがあ!アレンくんは再生できない。殺されたらオシマイである。いやんやめてえー。
「うぎゃっ、いやんアレンくんー!」
「うるせえよ見世物じゃねえんだぞ!」
「きゃひっ!ユウひどーい!」殴られまーしたー。
ユウは壁に激突して動けない私には見向きもせず、ティムの映像を見つめている。じぇ、じぇらしー。
そして彼はふと、「鏡のようだ」と呟いた。
「え?」
「……チッ」
なぜかは知らないが私に舌打ちをしてから、彼は話し出す。なによう、可愛いわねえ。
「左右対称なんだよこのアクマ」
「……ふむう、確かに。アレンがぴったり逆だね」
「しかも中身はカラの、外見だけのもの。だが……写し取ったものは自分の能力として使えるらしい」
アレンの腕を使って攻撃している様子がよく見えるが、中身が違うだけでこんなに凶悪な顔になるもんかね。本物はあんなに可愛いのに偽者はぜんぜん可愛くなくなってる。
「うーん、これならすぐ見分けがつくね。可愛くないし」
「お前は本当に何を言ってるんだかわからねェ」
「アレンくんと同じこと言ってるー」
プゲラプゲラと笑うと、頭に怒りマークを浮かべたユウの鉄拳が私を襲う。そう何度も喰らってらんないので避ける、ともっと怒る。かつん、と一歩後ろに下がり、曲がり角に出たところで気がついた。そこに居たはずの二人が。
「ゆ、ユウ!居ない!」
「……に、逃げやがった……!!」
「そういえばしばらく気配感じてなかった……!」
アクマの気配で上書きされていた、とも言える。しかしマズイな、二人だけではレベル1だろうとアクマに対抗できるはずがない。イノセンスは奪われてしまう。
「か、カンダ殿!後ろに……」
「あ?」
トマが驚いたような声を上げ、振り返るとそこには。
左右逆に映る、アレンが居た。
「アレン……じゃない……」
だって可愛くないから。
「さ、左右逆……!」
トマが半歩下がりつつそう呟く。アレンは左右逆にするとわかりやすいのだ。とっても非対称だから。
でも、これは確かにアレンじゃないけど、でも……、これは……。
「もしかして……」
「災厄招来」
呟く私の声など届かず、ユウは静かに六幻を掲げた。
でも、あれはもしかして。ここに居るトマは違くて。ああ、でも私は交戦しちゃだめで。ユウになんて伝えればいい、伝えてもいい?クロスさま、私はどうしたら許されるのでしょうか?
ぶわ、と蟲が、アレンに、いやトマに襲い掛かる。それをアレンが防ぐのを、私はただ、見ていた。
「モヤシ……!?どういうつもりだテメェ!!」
「か、カンダ……、僕にはアクマを見分けられる目があるんです、この人は……アクマじゃない!」
後ろで花が綻ぶように、殺気が開くのを感じる。やばい、このままじゃ。このままじゃやられる。どうしたらユウを庇えるだろうか。
「そっちのトマがアクマだ!!」
私の体では、あのつま先を受け止めることなんてできやしない。そこに思考が至るのと、下腹部を衝撃が襲うのはほぼ同時だった。







長め。


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