愛のうまれる痛みを知った|切なさに負けてしまいそうなら|白百合の邂逅|ふたりなのに淋しい|とても大切だった。けれど少し失ってしまいたかった|ゆかり巡り、あなたを見つめている|花結びの愛|いかないで、と瞳で叫んだのに|やぶれた恋を送るあなたの横で|忘れていた記憶が鮮やかに甦ってゆく

痛みにしかなれなかった|春の哀愁|遠いきみ、あの夏の日のなかで心寄り添いあう|甘やかな呪縛|宝物を眺めるようなまなざしで|夏の気配に導かれて|恋しいひとの呼吸が聞こえるほうへ|花びらの澪|心はいつかあなたのもとに|きみが足りることはきっとずっとない

くちづけがやけに静かだったので|水槽に沈む秘密|ふたり、というひとつ|合わせたまなざしの温度で|春めくまどろみ|溶けない氷、こころを覆うもの|花はきっと凍えている|寂寥の鳥|花びらはいつか夢路の果てに|春のはじめの夕暮れのよう

連綿とつづく祈り|きっとずっと昔のわたし|在りし日の春の呪縛|悲しくないけど淋しいこと|やさしさが滲む夕景|最初の朝に見えたもの|雪解けの痛み|目覚めた慈しみにそっとほほ笑むよ|冬だけど寒くない|やさしさで育つよ

ほんとうの春みつけた|ぜいたくな夏の夕暮れ|ある秋に落ちた願い|冬に想う夏の陽射し|夜の海はわたしのこころです|めぐる花に祈りを|たぶん底にはきらめくものが沈んでいるから|この心にも春はめぐりますか|夕焼け色した町並みへ郷愁|いまでも目蓋に残る感触に



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