▽回転寿司


「うっわ硬いなこれ……」

席ごとに用意されてるお湯が出るボタンってどこの回転寿司に行っても硬いけどこれはある意味凄い。私の力じゃビクともしないのだ。お湯は少したりとも出てこなかった。

両手を使って湯呑みをボタンに押し付けようとすると横から腕が伸びてきて、カゲの骨張った大きな手が私の片手ごと湯呑みを包んだ。
「何やってんだよ」と言いながらぐっと力が込められるといとも簡単にお湯が出てきて、私の掌にお湯の温かさが伝わってくる。

友達の延長のままに付き合ってたカゲにこんなに生々しく男らしさを感じることがなかったから正直びっくりだった。
手なんてしょっちゅう繋いでるのに(まぁ大抵私からだけど。)たかが手に手が重なった位でこんなに胸がドキドキするなんて。

「おい気持ち悪ぃ感情向けてくんなよ」
「ごめんときめきが止まらない……雅人くん大好き」
「うるせえよマジでむず痒いからやめろ」


back




nanoへのご支援