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「てんまぁ」
「何ですか、さっきから」
先輩は俺の隣に寄り添い、腕にへばりついている。
ああ、またいつものだよ。
先輩は赤ちゃんみたいに眠たくなるとぐずぐずとし始めるのだった。
「眠たいんでしょ」
「ねむくないもん」
真っ赤になった目を擦りながら俺にしがみ付く先輩。なんて可愛いんだろう。
「ほら、今こくんてなった。もう寝ましょうか?」
もうパジャマ着てるし、少し早いけどもう寝てもいい時間だろう。
俺はTVのリモコンの"電源ボタン"を押そうと身を乗り出そうと、した。
「うわっ」
だが、先輩が俺をベッドに押し倒したせいでリモコンは床に投げ出された。
「眠く、ないもん!」
ぎゅう、っと抱きつかれ身動きが取れなくなる。
あの、凄い良い位置に先輩のお尻があって困るんですけど。
「てんま、ちゅー!」
「って、俺身動き取れないですって」
先輩は口を尖らせた後、俺の頬に手をそえる。じりじりと、先輩の顔が近付いて来る。
あと、少しで、唇が…。

ごつん。

「っつ!」
「いたい…てんまぁ」
最後、勢いをつけ過ぎたらしい。おでこが痛くて、意識が朦朧とする。
「先輩、ちゅーってのは、こうするんですっ」
形勢逆転。先輩を押し倒し、口付ける。先輩は頬を染めて、それを受け入れた。
「ん、あ、てんまぁ」
先輩はにっこりと笑って俺の手を握る。それは、しても良いって事ですか?
「先輩!」
いただきます!と言わんばかりの勢いで先輩の服に手をかける。
「せんぱ、い?」
俺がこんなにもやる気だというのに、すうすうと寝息を立てている先輩。
ああ、これ、どうしよう。

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ぐずぐずの霧野先輩。おあずけの天馬くん。




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