6 「せんぱーい、もう寝ましょうよー」 「んー、まだー」 明日も学校だってのに先輩はまだコントローラーを持ってTVと睨めっこをしている。 最近新しいRPGのゲームを買ってきたらしく、帰ってきてからずーっとゲームばっかりしている。 夕飯の時も何だかんだ言いながら俺が食べさせてあげたし…。どんだけ夢中なんだよ、もう。 全く寝る気はないらしく、こつこつと同じマップでレベル上げをする先輩。 「あーもう、先輩、今日ちゅーもしてくれないんですか」 「なに、わかったよ、はい、ちゅー」 先輩はしょうがないなあ、みたいな顔した後に俺の頬に触れるだけのキスをした。 こんなんで満足いくわけがない。 こんなゲームしてる暇あるなら、俺に構ってくれたっていいだろ! 先輩の握り締めてるコントローラーを力ずくで奪い取り、その先のボスに向かう。 「あ、駄目!ちょっと、まだ、レベルがぁ!」 「何言ってるんですか、もうこのレベルなら回復使えばいけますって!」 俺の言ったとおり、そのボスは難なく倒す事が出来た。そして次の章に向かう前のセーブを終え、電源を勢い良く切る。 「てんまのばか!あいつを余裕で倒したかったのにー!」 「俺を構わないでゲームばっかりしてるから、って、ちょ、うが」 俺の上に先輩はまたがったと思うと、頬を力いっぱい引っ張られた。 「うは、ご、へんあさい!」 「わかればよし!」 頬を開放されたが、息をする間もなく先輩が抱きついてくる。 「天馬、ゲームにまで嫉妬しちゃうなんて、かっわいー」 「!」 ここで何か言っても自分が照れるだけだろうと思い、無言で細い体を抱き締める。 ああ、すっごい久しぶりな感じがする。先輩に近付いて、触れることができて安心した。 「も、くすぐったいから、離れてっ」 「先輩から抱きついて来たんでしょ。俺は離しませんよー」 そのままベッドになだれ込んで……その後は、ご想像に任せます。 |