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「っくしゅん」
「天馬が風邪引くなんて、ありえない」
「なんですか、それ」
「ほらー、鼻水でてるし」
ぶーたれる俺を無視し先輩はティッシュを鼻に押し付けてきた。
先輩を見ると、物凄く心配そうな顔。風邪くらいでそんな顔されたら困ってしまう。
「今日は学校お休みして、薬飲んで、ご飯食べて、寝ること」
「先輩、は?」
「さみしいなら、居てあげても、いいよ」
俺の頬に触れる先輩の手が冷たくて気持ち良い。重ねた手、指を絡ませると先輩はにこりと微笑んだ。
「っていうか、やっぱ俺がさみしいから、休む」
「良いんですか」
「ん、いいの。なんなら、風邪、うつしてくれる?」
先輩は可愛過ぎだ。何度でも、何千回でも俺は言うよ。先輩は世界一可愛い。
体が熱いのは風邪の所為もあるけど、先輩のお陰でますます症状が悪化していく。
「うつしたら、今度は先輩が具合悪くなっちゃいますよ?」
「いいから、はやく」
首を傾げて俺にせまる先輩。どんどん距離が縮まって、唇と唇が触れた。
離れようとする先輩を引き止め、今度は俺から深く口付けた。




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