33 「新しいクラスには慣れました?」 「慣れた、っていうか今回も神童とおんなじクラスだから余裕!」 大した話題が見つからず俺は新学期の話でも、と今更な感じで聞いてみた。 相変わらずの強運らしく、神童先輩と霧野先輩は毎度同じクラスである。 かく言う俺も、信助や狩屋と同じクラスな訳だけど。 適当に勉強して、サッカーに本気出して…。 確実に年は取っているものの、中学生のノリと全く変わらない俺達。 ああ、でもひとつ変わった事がある。霧野先輩との距離、だ。 中学生の時は緊張して声も掛けれなかったけど、今は同じベッドで眠って、朝起きたら隣に先輩が居て…。 本当に、今が幸せでしょうがない。 「ちょっと、天馬っ」 「…は!はい!」 「なにぼけーっとしてんのっ」 「いや、あの、幸せだなーって思って」 「え?なに、なに?良いことあったの?」 「別に…なんでもないですよー」 先輩は首を傾げる先輩を尻目に、ひとりにやにやと思い出に耽る俺であった。 |