27 「はやぶさ、読者モデルだって」 隼総英聖、天河原中のMFだった奴だ。 先輩は雑誌をこちらに向けて指差した。ああ、本当だ。雑誌の片隅に載っている。 昔と変わらず、自信たっぷりの表情だし…。ナルシストっぽくてあまり良い印象ないんだよなあ俺。 「あー、あのとき携帯の番号聞けばよかったー」 「ちょっと、先輩!」 先輩はきらきらと瞳を輝かせて雑誌に見入っている。 なんなんだ。先輩はこんな奴が好みなのか! 確かにイケメンだ、今時の女子が好みそうな俺様キャラのイケメンだけどさ! 「せ、せ、先輩はこういうのタイプなんですか!」 「あはは、なに焦ってんのー」 「うあー俺やだよ先輩がこんな男にいい様にされるなんてっ」 勢い良く先輩を抱きしめてすりすりと頬擦りする。 「も、もう!冗談だってばっ」 「本当に?」 「うん。ほんと。天馬が1番格好良くてすきだよ」 俺の腕の中でにこりと微笑む先輩がいつも以上に天使に見えた。 |