25 「歯がいたいー」 「虫歯かもしれませんよ。見せてください。あーん。」 「あー」 見たところ、虫歯はない。むしろ綺麗な歯並びだった。 「うーん、大丈夫そうですけど。あ、それよりちゅーしてもいいですか」 「ふあ、え!?」 頬に手をそえてそのまま口付ける。 歯列を執拗になぞって、口内を堪能してみる。 舌で頬の内側をつつくと、先輩はびくりと体をふるわせた。 先輩の甘ったるい香りにそそられて、そのまま腰を撫でる。 だけど、ぐい、と押し返されて仕方なく唇を離した。 「…ぷは!て、天馬!」 ぽかぽか、と力なく胸を叩かれてへらへら笑う俺。 「ほら、ちゅー沢山したら痛いの治るかもしれませんよ」 「そんなわけないじゃん!ばか天馬」 |