23


朝7時。日曜日。上半身だけ身を起こして窓を覗くと、雪がちらほら降っていた。
がしり。先輩が抱きついてきて、またベッドに戻される。
「さーむーいー」
「うう、先輩、鼻が真っ赤」
頬をさすってやると先輩はぶるぶると震えて、俺の胸に顔をうずめた。
先輩の体は冷たくて、俺も震えた。
「雪、降ってますよ」
「うん、今日はかまくら作るー」
「先輩、そこまで降りませんって、此処は」
俺のパジャマをぎゅ、っと握って、また瞼を閉じる先輩。
このまま寝られたら、どうしよう。
先輩のシャンプーの香りと、密着した体の所為で、心臓のどきどきが止まらない。
「てんま、あったかい」
「う、あ、もう、そんなにくっつかれたら、寝れないですよ……」
先輩のつやつやの髪の毛を撫でて、俺は視線を外した。先輩はわざとらしく、俺の頬に手を添えて、自分の目線と合わせようとしてくる。
「さむいから、あっためてよ、ね、てんま」
ああ、もう、だめだ。
先輩のちっちゃな体を抱き締めて、口付ける。
ふわり、とまた先輩の香りが鼻を擽った。




第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -