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「おしり痛いー!」
「もう、先輩っ、こんなとこで大声で言わないで下さいよっ」
先輩の口をおさえるが、周りの視線はもう俺達に集中していた。
恥ずかしい。
大人しくなったので、先輩を解放してやる。先輩は頬を膨らませ、文句をぶーぶーと垂れながら歩き始めた。
知らないふりをして、俺も歩幅を合わせた。
「もう!痛いんだもん!歩けない、あるけないー!」
俺の腕に引っ付いて、駄々をこね始める先輩。仕方ないので、先輩の第二カバンを持って、肩に掛けた。
何故か先輩のカバンはやたらと重くて、ずしりと肩にくる。
なんで月曜からこんな仕打ちを……。
それでもまだ先輩は満足いかないらしく、俺の腕を引っ張り、ぶんぶんと振った。
「だっこ、して!」
「……もう、何言ってるんですか」
今もぴょんぴょん跳ねてるし、全然元気じゃないか。普通に歩けるじゃないか!
とは言いつつも、甘えてくる先輩が可愛くて、心が揺らぐ。

「しょうがないなあ、ほら」
こんな大勢に見られたら恥ずかしいので、おんぶで我慢してもらうことにする。
「ぱんつ、見えちゃうかも!」
先輩は嬉しそうに俺の背中にしがみ付いた。先輩の軽い体を背負って、歩き出す。
周りの視線が痛いけど、先輩の機嫌が悪くなるよりましだ。




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テーマ「人外ファンタジー」
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