19 「え、え!?ちょっと、これは、寝坊ってやつですか」 やばい。やばいぞ俺達。普通に時計が11時まわっちゃってますけど。 俺は頭をぼりぼりと掻いて、先輩の寝顔を見つめた。 それはそれは幸せそうな顔で、俺も口元を緩ませる。 あーもう新作のゲームを朝までやってたから悪いんだ! あんな面白いなんて思ってもみなかった。先輩なんかもう画面に釘付けだったし。 ああ、レベル上げたい、早くあの中ボスをさっさと倒して次に……じゃなくってだな。 とりあえず、先輩に起きてもらわなくては。 「起きて下さいよ、寝坊ですよ、寝坊。ほら、服着せるから起きて下さいよー」 先輩を揺さぶっても、ほあーとかほえーとか言って起きる気全く無いし。 「起きないなら、いっぱいちゅーしますよ」 ぼそり、と呟く。先輩はその言葉に反応してぱちり、と瞼を開けた。 もう遅い。いざ!俺は勢いよく先輩に覆い被さると、嫌がる先輩に口付ける。 「やだ、やだ、待って、しちゃ駄目、てんま、あははっ」 顔全体どこもかしこも、ちゅ、ちゅ、と音を立て啄ばんだ。 笑いながらじたばたとする先輩、寝惚けた顔が可愛くて、つい悪戯したくなる。 ああ、いい朝だ。……じゃない、じゃなくて!! 「先輩、遅刻ですよ!」 |