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「てーんま、てーんーまー」
ああ、先輩の声、なんて心地の良い声なんだろう。
俺は呼ばれているのに返事もせず、寝転がったまま先輩の声だけを聞いている。
そういえば先輩、声変わりしないのかな?
中学生の頃と全然変わらない、高くてハスキーな色っぽい声だし。
そのハスキーな声で『てんまぁ』なんて甘えた声出されたら、堪らないんだよなあ。
とにかく可愛くて、エロい声してるんだよ。本当に。
声だけじゃなくって、顔も体も、可愛くてエロい。
俺は先輩との情事を思い出すと、思わず頬がゆるんだ。ああ、昨日だって、凄かったよなー。
先輩のあの喘ぎ声、そして珍しくおねだりしてきたもんだから燃えたよ。
携帯で動画撮って残しておきたい位だし。ていうか、今度相談してみよう。
会えない日はそれを見て、あれしたらいいわけだし。

「……天馬」
「え、あ、どうしたんですか?」
「全部、聞こえてるけど、あー、勿論ハメ撮りは却下ね」
「なんでですかぁ!お、俺、本気なのにっ!」



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テーマ「人外ファンタジー」
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