11 最近、えろい。 先輩が、えろい。 いや、元から色っぽい体つきしてるんだけど。(言ったらころされる) なんか、身のこなしも、やらしい感じで。 「なに、じろじろ見てんのー」 「いや、何でもないです」 キッチンで朝ごはんを作ってくれてる先輩のエプロン姿を眺めていると、振り向いて睨まれた。 ああ、犯罪だよ、その可愛さ。 俺はそーっと先輩に近付き、後ろから抱き締める。 「てんま?」 「先輩が可愛いからいけないんです」 からん、と先輩の持っていたおたまがシンクに落ちた。 抱き締めた腕に、先輩の手が重なる。 「ごはん、作んなきゃ」 「あーもう、先に、先輩を食べたいんですけど」 うなじに顔をうずめ、鼻をこすりつけると先輩はくすぐったそうに身震いをした。 そして、振り返りこの一言。 「じゃあ、食べてもいいよっ」 その一言の所為で、大遅刻することになってしまったのだった。 |